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有沢正一のマーケット・ナビ

有沢正一

日々激しく変化する内外の経済。しっかりと押さえておきたいポイントをアナリストの視点で解説します。

介入の是非

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ドバイ政府系企業による返済延期要請、いわゆる「ドバイ・ショック」によって対米ドルで14年ぶりの円高水準をつけるなど為替相場では一気に円高が進んだ。それまでじりじりと円高が進んでいた局面と、ドバイ・ショック以降は分けて考える必要があるだろう。大雑把に言えば1ドル88円台あたりまでの円高は、投資家のリスク選好に伴う低金利の米ドル離れが背景にあった。米ドルが相対的に金利の高いユーロや、豪ドル、あるいは金などの商品に対して売られたあおりで円高が進んだと考えるべきである。つまり、円高というよりは米ドル安といったほうが正しいのではないか。一方、ドバイ・ショック以降の円高局面においては、ユーロや資源国通貨に向かっていた資金がリスクを避けるために円に逃避してきた側面が強い。したがって、それまでは横ばい圏で推移していた円・ユーロ相場も円高に傾いている。これは、米ドル安ではなく、まさに円高と言える。
そして、いずれの円高局面でも、それを加速させるのが短期的な投機資金の動きである。為替相場が実体経済に与える影響を考えれば、行き過ぎた投機資金の流れには、金融当局がブレーキをかけても良い。為替相場への介入もひとつの手段だ。しかし、米ドル安の局面では日本の当局が単独で実施できる手段はない。ただ、ドバイ・ショック以降の円高は、米ドル安ではなく、正真正銘の円高である。投機資金による円高の加速を防ぐために、日本の当局にはまだまだ打つべき手が残っているのではないだろうか。

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