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有沢正一のマーケット・ナビ

有沢正一

日々激しく変化する内外の経済。しっかりと押さえておきたいポイントをアナリストの視点で解説します。

2009年11月アーカイブ

26日は感謝祭で米国市場は休場。ということはいよいよクリスマス商戦が本格化することになる。今年のクリスマス商戦に関しては強弱まちまちの見方があるが、楽観的な見方を紹介しておこう。米ショッピングセンター国際評議会(ICSC)は、今年のクリスマス商戦が昨年よりも良好で、売上が1-2%増加するとの予測を9月に発表している。それによると、今年のクリスマス商戦は、過去3年で初めてリセッション(景気後退)の影響を受けないものとなると予想、リセッションがもたらす消費者心理の「消耗戦」に、新たな希望と楽観主義がとって代わり、クリスマスプレゼントの売れ行きが伸びる可能性があるという。ちなみに、2008年11月から翌年1月までの既存店売上高は5.4%減少したという。また、米貨物大手UPSは、同社が世界中で11月下旬からクリスマスまでに扱う貨物は約4億個に上るとの見通しを示した。一日当たりの取扱量が通常の最大4割増となる状況に対応し、約5万人を臨時雇用するという。しばらくの間は米国の消費動向が大いに注目されることになりそうだ。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

中国からちょっと気になるニュースが流れてきた。中国人民銀行が11月11日に発表した「貨幣政策報告」の中で、人民元相場について「資本フローの変化や主要通貨の変動に基づいて人民元為替相場メカニズムを改善する」との方針が示されたのである。貨幣政策報告においては、2005年7月の人民元切り上げ以来、一貫して「妥当で均衡の取れた水準で基本的な安定を維持する」との方針が表明され続けてきただけに、今回の文言の変更に関しては「人民元政策の変更を意味する」と観測する市場関係者も多い。つまり、人民元切り上げの可能性が浮上してきたわけである。
確かに中国においては、9月のマネーサプライが前年同期比で29.31%増加、その増加率は前年末に比べると11.49ポイントも上昇しており、過剰流動性の拡大、バブル発生に対する懸念も強まっている。中国人民銀行が人民元を低め誘導するためにドル買い・人民元売りを続けることは過剰流動性の拡大を加速させるとの警戒感はあるだろう。
さて、近いうちに中国側から何らかのアクションがあるのだろうか?中国要人の動向からは目が離せない。仮に人民元の切り上げとなれば、アジア通貨高への連想から対米ドルでの円高圧力が強まることも予想される。

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超金融緩和からの出口について何らかの示唆が予想された11月4日(米国時間)の米FOMC声明。しかし、結果は従来通り超金融緩和を「相当な期間継続する」というものであった。低金利を据え置く理由として掲げられたのは、資源利用率の低下、インフレ沈静化、インフレ期待の落ち着きなどであった。この場合「資源利用」とはまさに雇用のことであり、このFOMC後の雇用統計で明らかになった失業率10.2%という数字はFRBの選択を正当化するものでもあるだろう。しかし、インフレ沈静化とインフレ期待の落ち着きという理由については、かなり危なっかしい状況である。景気を刺激する超金融緩和政策は、一方で資産バブルを煽ると言い換えることができる。主要な経済指標にインフレの兆候は現れていないものの、市場最高値を更新している金価格の上昇はインフレ期待の高まりを意味するものではないだろうか。「失業率が上昇する限り、FRBは金利を引き上げられない」というひとつの定説があるが、雇用を伴わない景気の回復、いわゆる「ジョブレス・リカバリー」の様相が強まる今、雇用にとらわれないFRBの決断も意識しておくべきだろう。
「雇用」か「インフレ」かどちらかに目をつぶらなければならないジレンマがFRBを苦しめることになるかもしれない。

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世界景気の2番底に対する懸念からマネーのリスク回避姿勢が強まり、円高方向に振れてきた為替相場であるが、FX取引においては個人投資家が円を売る「逆張り」の動きが目立っているという。11月3日の日経新聞によると、東京金融取引所のFX取引「くりっく365」では個人がリスク選好で円売り・豪ドル買いなどに動いており、10月30日時点で豪ドルは約8億豪ドルの買い越しになっている。買越額は、直近で最も少なかった10月19日に比べると3倍強まで膨らんだ。南アフリカランドでも買い越しの増加が目立ち始めているという。どうやら、国内の個人投資家は、円高傾向が長続きしにくいとみており、世界景気の回復期待を背景に、高金利の豪ドルなど資源国通貨やユーロに引き続き資金を振り向けている。このような個人の円売りは当然、円の上値を抑える一因となる可能性がある一方、円高が進んだ場合に、どこかの水準で損失拡大に堪えきれない個人によるロスカットの円買い・外貨売りが進んで円高を加速させるシナリオもありうる。外為市場において存在感を強めつつある個人投資家の円売りポジションだが、その動向がますます注目されることになりそうだ。

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