ひょっとして為替相場に対して何らかの踏み込んだ言及があるかとも思われたG7だが、結局、為替については従来の立場を踏襲するにとどまった。これを市場では、政策当局者は段階的なドル安を容認している、と受け止めている。となるとドル安の流れは変わらない。最近のドル安は決して、米国経済の悪化を材料にしてドルを売っているのではなく、その背景には世界経済の回復期待を背景にした資金のリスク志向がある。つまり、低金利だが安全な米ドルから相対的に金利が高いユーロ、豪ドル、ブラジルレアルと、よりリターンの高い通貨へと資金が向かっているのである。背景には世界経済の回復期待があるわけだから、ドルが売られれば売られるほど世界経済は回復度合いを強めていることになる。いわば、現在のドル安は「良いドル安」と言っても良いだろう。
ただ、注意が必要なのは、金利の低いドルで資金を調達して高金利通貨だけではなく、商品や株式などより高いリターンを求めて運用先を探す「ドルキャリー取引」が活発化してきたことである。これらの資金の流れは米国の金利が上昇すれば、たちまち逆流する。そして、商品や株式市場の急落を招きかねない。もちろん、今のところは米FRBが金利を上げる気配など窺えない。しかし、米国の長期金利は国債の入札が不調に終われば一気に上昇する可能性を秘めている。米国国債の入札状況については継続的に注意を払っておく必要があるだろう。
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