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有沢正一のマーケット・ナビ

有沢正一

日々激しく変化する内外の経済。しっかりと押さえておきたいポイントをアナリストの視点で解説します。

2009年10月アーカイブ

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26日の米国市場では、長期金利の指標である10年物国債の利回りは前週末比0.07%高い3.56%で取引を終えた。4日続けての金利上昇であり、一時は3.57%を付け、8月下旬以来約2ヵ月ぶりの水準まで上昇した。今週は中期国債の入札が続くため、需給悪化懸念から国債に対する売りが優勢となり金利が上昇したと言う。
しかし、長期金利上昇の背景にあるのは国債の需給悪化懸念だけではない。英フィナンシャル・タイムズ紙に続き、週末の米ウォールストリート・ジャーナル紙が、FRBは米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明に関し、超低金利政策の長期化を示唆する文言の修正を検討し始めていると報じたのである。利上げが予想外に早まるとの思惑が長期金利の上昇を誘ったようで、このところの米長期金利上昇は日米の金利差拡大観測からドル買い・円売り要因になっている。日本の長期金利も上昇傾向にはあるものの、利上げが意識された米国ほどではない。
さて、11月3、4日(米時間)に開催されるFOMC。そのコメントの中で超低金利政策の長期化を示唆する文言「 for an extended period 」(日経新聞の訳は「当面」)がどのように変わるのか、あるいは変わらないのか、大いに注目されるところである。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

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 20日、ニューヨーク連銀は買い戻し条件付きで国債などを担保に金融機関から資金を吸収する「リバースレポ」を試験的に実施していることを明かした。つまり、試験的な流動性の吸収を行っていることを認めたわけである。なぜ、試験的に流動性を吸収するのか?普通に考えれば、金融緩和の出口を真剣に模索しだしたということであろう。しかし、同連銀はこのような思惑を真っ向から否定し、「金融引き締め時期を示唆しているととるべきではない」との警告を発した。米ドルの買い戻しが優勢になりかけていた市場は、このコメントで再び米ドル売りが活発化して、米ドルは主要通貨に対して下値を模索することになった。
 だが、「試験」を行ったこと自体、FRBが出口を具体的に探っていることを示すことに他ならないだろう。現在の米国の雇用状況などを考えれば金融政策の変更はかなり先の事のように思える。しかし、米国の株価は回復基調を強めている。また、本当に米国政府が「強いドル」を望んでいるのだとすれば、ドル相場の下落が金融政策の変更を促すことすら考えられる。19日付の米投資週刊誌バロンズは「FRBが『出口戦略』の議論をやめ、同戦略に着手する時期が来た」との記事を掲載した。米ドルが下値を探るほどにFRBの一挙手一投足が注目されることになりそうだ。


本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

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7日、豪州の中央銀行である豪準備銀行が先進国のトップを切って利上げに動いた。政策金利を年3.25%へと1年7ヵ月ぶりに引き上げた。豪統計局が翌8日に発表した9月の失業率も市場予想に反して5ヶ月ぶりに低下、豪州経済の回復振りがより鮮明になり、豪ドル買いに弾みがついた。豪ドルは米ドルに対して2月の底値から4割以上も上昇しているのだが、米ドル売りの流れが定着してきたところに現実的な金利の上昇という豪ドル固有の買い要因が加わってきたため、しばらく豪ドルの堅調地合いが続きそうな気配である。豪州では年内の再利上げ、そして来年半ばには4%台まで政策金利が引き上げられるとの予測も浮上している。
 豪ドルは資源国通貨との側面も持つため、豪ドルの上昇は金や原油といった商品高を誘うことにもなりそうだ。豪州の次には、原油と天然ガスが輸出の3分の2を占める資源国ノルウェーが28日の金融政策決定会合で利上げに踏み切るとも予想されており、政策金利を引き上げる国が増えてくると、インフレに対する警戒感も意識され、インフレに強いとされる金や原油の人気がさらに高まることも予想される。
米国が本当に強いドルを望んでいるのなら、何らかの形で金融政策の出口を捜し、そしてそれをマーケットに示す必要があるだろう。何もしないで景気の回復を待つほどの余裕はなくなってきたような気がする。

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 ひょっとして為替相場に対して何らかの踏み込んだ言及があるかとも思われたG7だが、結局、為替については従来の立場を踏襲するにとどまった。これを市場では、政策当局者は段階的なドル安を容認している、と受け止めている。となるとドル安の流れは変わらない。最近のドル安は決して、米国経済の悪化を材料にしてドルを売っているのではなく、その背景には世界経済の回復期待を背景にした資金のリスク志向がある。つまり、低金利だが安全な米ドルから相対的に金利が高いユーロ、豪ドル、ブラジルレアルと、よりリターンの高い通貨へと資金が向かっているのである。背景には世界経済の回復期待があるわけだから、ドルが売られれば売られるほど世界経済は回復度合いを強めていることになる。いわば、現在のドル安は「良いドル安」と言っても良いだろう。
 ただ、注意が必要なのは、金利の低いドルで資金を調達して高金利通貨だけではなく、商品や株式などより高いリターンを求めて運用先を探す「ドルキャリー取引」が活発化してきたことである。これらの資金の流れは米国の金利が上昇すれば、たちまち逆流する。そして、商品や株式市場の急落を招きかねない。もちろん、今のところは米FRBが金利を上げる気配など窺えない。しかし、米国の長期金利は国債の入札が不調に終われば一気に上昇する可能性を秘めている。米国国債の入札状況については継続的に注意を払っておく必要があるだろう。

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