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有沢正一のマーケット・ナビ

有沢正一

日々激しく変化する内外の経済。しっかりと押さえておきたいポイントをアナリストの視点で解説します。

2009年9月アーカイブ

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相変わらず強いドル売りの圧力。資源国通貨、ユーロ、金…と相手を変えながら一貫して売られてきた感のある米ドルだが、ついに円に対しても売り込まれてきた。財務大臣の「介入不要」発言がきっかけになったようだが、絶対的な金利差が存在する資源国通貨、基軸通貨候補の一角であるユーロ、インフレに強く有事に安心感のある金などと比べると円がドルに対して買われるような明確な理由は見当たらない。とりあえず他に比べるとドルに対して出遅れ感があった円に買いの矛先が向かったというだけであろう。円高のトレンドがこのまま続くとは考えにくい。とは言っても元々ファンダメンタルズを反映したものではない円買い・ドル売りであるだけに、昨年12月につけた1ドル87円台前半というチャートの節目を脅かすようなことになれば、投機筋の円買いが勢いを増す可能性もある。短期的には波乱含みの展開だ。
そして今週は週後半に日銀短観と米雇用統計という重要なイベントを控えている。ドル売りを仕掛けたい投機筋にとっては、その言い訳を作るチャンスかもしれない。逆の見方をすれば、これらのビッグイベントでチャート上の節目を脅かされるようなことがなければ、当面はドルが落ち着きを取り戻す公算が大きい。週末にかけてのビッグイベント、緊張感を持って見守る必要がありそうだ。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

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ドル売りの流れが止まらない。米国の景気回復が遅れそうだといっては売られ、一方で米国の景気指標に強い数字が出れば「投資家がリスク選好を強めてドルよりも金利の高いユーロなどに資金がシフトする」との理由で売られる。
かたや、金価格は上昇を続けている。世界景気の先行きに不透明感が強まったときには安全資産として買われ、逆に世界景気の回復期待が強まった際にはインフレに強い資産としての側面が注目される。
もちろん、「ドル売り=金買い」という完全なトレードオフの関係が成り立っている訳ではないのだが、対照的な動きの背景には何があるのだろうか。それは希少価値ではないかと考える。安定した需給関係を保っている金には常に一定の希少価値が存在し、それが安全資産、インフレに強い資産としての地位を担保する。一方、昨年来の劇的な金融緩和の影響でドルには完全に「だぶつき感」が強まった。世界の基軸通貨として、国際経済の決済資金としての値打ちも、「ドルはいつでも手に入る」という「だぶつき感」に打ち消されてしまった。過去、世界共通の決済手段としての地位を争ったドルと金であるが、現在ではドルはもはや金のライバルではないのだろうか。
ドルの反転に向けては、ひとえに米国の金融政策の行方がカギを握るだろう。超金融緩和の出口戦略をいつごろから進めることができるのか?その展望が見え始めたとき、米景気指標の改善は、ドル売りではなくドル買いの材料へと変わるはずである。

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豪ドルが米ドルに対して上昇基調を強めている。きっかけになったのは今月4日の米雇用統計、非農業部門の就業者減少数が予想よりも小さかったこと。普通に考えれば米景気の回復を示すものであるから米ドルが買われても良さそうなものである。しかし、世界景気の回復期待から豪ドルが買われた。現在の景気の強さで言えば、明らかに豪州のほうが米国よりも強く、米国で強い指標が出たとしても、先に金利を引き上げるとしたら豪州だと言う理屈もある。豪州は先進国の一員であるにもかかわらず豪ドルは資源国通貨の代表として捉えられている。それだけ資源価格の動向に敏感に反応するのが豪ドルであり、それゆえ大きな資源消費国である中国経済の動きに豪ドルは左右されることが多い。

中国主導での景気回復というのが市場のコンセンサスとなっていることも考えれば、中国景気に左右され易いという面でも豪ドルの動きは世界景気の先行きを占う上で重要な意味を持ちそうだ。世界的な景気の先行きに強弱感が分かれてきたときなど、豪ドルの動きからは目が離せない。

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民主党の歴史的な大勝利、そして政権交代。事前に予想されていたとはいえ国民が大きな変化を選択した衆議院議員選挙。劇的な結果を受けたマーケットの始まりを市場関係者は多少の緊張感を持って見守ったであろう。取引開始から買いが膨らんだが、ものの1時間ももたずに息切れした株式市場に対して、為替相場では円買いが進み、日本市場の取引が終わった後、海外市場に場を移しても円が堅調な動きを保った。変化に対する期待が海外勢の円買いを促したと言う。「バラマキ型」との批判もある民主党の家計支援を起点とする内需刺激策は、財政悪化から国債増発を招き、円売り要因になるとの見方もあっただけに、やや意外感もある円高であった。このところリスク資金の動きを図るバロメーターにもなっている上海株式市場が大幅に下落していたこともあり、資金の逃避先として低金利の円が買われやすい地合いではあった。ただ、民主党政権誕生とともに進んだ今回の円高は、決して中長期的なトレンドを作るものではないだろう。本当に変化に期待した、新政権に対する評価であるならば、円を買うだけでなく、円資産である日本株や日本の債券などに買いが膨らむはずである。通貨としての円は買うが、日本の資産を仕込むわけではない、という海外勢の動きは、短期的にとりあえず円を買っているだけであり、トレンドを決するものではない。いきなり期待を織り込んで円高から始まっただけに、今後の政策運営で失望が生じれば円売りは出易くなる。国民の大きな期待を背負い、そして為替市場では短期筋の円買いというポジションを背負って民主党政権はスタートする。

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