イワイFXウイークリーアウトルック 2010年8月16日
1980年代後半に円高とそれを回避するための低金利で100年に1度のバブルをやってしまい、1990年前半の強烈な引き締めと円高によって失われた20年を経験している日本の失敗を、どこの中央銀行もよく研究している。米欧は日本型デフレ回避の通貨安競争になっており、現在、日本は通貨安競争の蚊帳の外に置かれている。これが15年ぶりの円高・ドル安の構図だ。
円相場は介入観測で騒がしくなっている。当局が「どういったレベルで介入しているのか」を検証してみると、過去の円売り介入は100日移動平均線からの-10%乖離がひとつのメドとなっている。8月13日現在、100日移動平均線からの-10%乖離線は81円42銭で推移している。
ドル/円(日足) 過去の円売り介入実績(緑)と100日移動平均-10%乖離線(赤)
年後半相場の大局はドル安相場であるが、相場は循環なので上がったり下がったりする。これに対処するには価格そのものの動きをテクニカルで分析するしかないが、先週の通貨市場は大きな変化があった。
ドル/円(日足) ドル売りトレンド消滅 ADXと標準偏差ボラティリティがピークアウト
上段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)
中断:14日ADX(赤)
下段:26日標準偏差ボラティリティ(黄)
ユーロ/ドル(日足) ユーロ売りトレンド消滅 ADXと標準偏差ボラティリティがピークアウト
上段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)
中断:14日ADX(赤)
下段:26日標準偏差ボラティリティ(黄)
ご覧のように、ドル/円もユーロ/ドルも14日ADXおよび26日標準偏差ボラティリティがピークアウトし(天井をつけ)、方向性のあるトレンド相場は終わった。ここからは調整相場に入る。次のトレンドが出るまでは、上げても下げてもあまり意味のない動きである。
ユーロ/ドルの強力な抵抗帯については7月20日のレポートに書いたが、ユーロ/ドルは前回のもちあいレンジ=抵抗帯の下限まで到達した。投機筋の目標達成の水準である。先週のユーロ/ドルの急落については材料うんぬんではなく、<抵抗帯>を前に投機筋が利食いに入ったということだろう。
ユーロ/ドルもドル/円も現在、ADXや標準偏差ボラティリティがピークアウトしているので、次のトレンドを待ちたい。
ユーロ/ドル(日足)
上段:14日ADX(赤)と標準偏差ボラティリティ(青)
緑の部分がトレンド相場・黄色の部分がランダム相場
下段:黄色の帯が<抵抗帯>
[今週の予想レンジ〕
今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい。(日足データは2010年8月13 日まで)
<チャートの見方>逆張りゾーン(黄)・順張りゾーン(緑)
ドル/円もユーロ/ドルも相場の方向性の強さを示すADXや標準偏差ボラティリティがピークアウトしている。すなわち、ドル/円もユーロ/ドルも目先は調整相場となり、方向感のないランダムな展開が予想される。そうなると、クロス円相場は非常に難解な相場展開となるだろう。
ドル/円 今週の予想レンジ 
ユーロ/ドル 今週の予想レンジ
ユーロ/円 今週の予想レンジ
ポンド/円 今週の予想レンジ
豪ドル/円 今週の予想レンジ








