イワイFXウイークリーアウトルック 2010年8月2日
先週「カネ余りと運用難」というレポートを書いたが、この運用難が深刻な状況となってきている。ストラテジストやアナリストもまいっていて、相場見通しや景気に対する見方も概ね3つくらいのシナリオを用意して、このうちどれかが当たるでしょうというスタイルになっている。株・米国債・ゴールド・原油なども相場観が対立しているが、筆者が聞いている限り決定的な売り買いの動機となるものは少ない。
その中で比較的わかりやすい相場展開になるのが通貨の市場だと筆者は考えている。現在の米国の通貨政策は通貨安政策が整合的であり、金利政策からみて現在の<ドル安相場>はロジック的に進行しやすい状況にある。
ただし、クロス円相場は難しい。ドル安と円高の狭間で豪ドル/円やユーロ/円の動きはドルストレート通貨に比べて読みにくくなるだろう。
7月30日NY市場では、ドルが対円で2009年11月以来の安値をつけた。しかし、ドル/円はまだトレンドが発生しておらず、明確なレンジブレイクも起きていないので、筆者はポジションを持っていない。
ドル/円(日足)
上段:21日ボリンジャーバンド1σ
中段:ADX(14日)
下段:標準偏差ボラティリティ(26日)
ユーロ/ドルは7月21日にボリンジャーバンドの1σのバンドの内側に入ったので、一度手仕舞いを行ったが、7月22日に再度エントリーし、現在買いポジションを保有中である。
ユーロ/ドル(日足) トレンド相場(青)
(ADXおよび標準偏差ボラティリティの上昇と21日ボリンジャーバンド1σの飛び出し局面)
上段:21日ボリンジャーバンド1σ
中段:ADX(14日)
下段:標準偏差ボラティリティ(26日)
ユーロ/円は108-~114円のレンジの上方ブレイクに期待して、7月27日に打診買いのポジションを持ったが、相場が1σの内側に入ってきたので7月30日に損切りを行った。
ユーロ/円(日足)
上段:21日ボリンジャーバンド1σ
中段:ADX(14日)
下段:標準偏差ボラティリティ(26日)
強気相場の続いていたゴールドに、現在、久々の売りトレンドが発生したのは興味深い。最強通貨と言われたゴールド相場だが、ボルカールールの影響で金融機関が紙のコモディティ(ETF)資産の処分に動いている。「低金利の長期化=ドル安」というロジックで、現在、ファンド勢は「ユーロ買い」を行っており、欧州のストレステスト通過後は「ユーロ買い・ゴールド売り」のポジションをとっているファンドも多い。上昇サポートラインを割り込んだことで投機筋の注目を集めているが、下のチャートの黄色の帯の上で相場をやっている限り、長期の上昇トレンドは変わらないだろう。
ゴールド(日足)上昇サポートラインを割り込む
上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)55日標準偏差ボラティリティ(紫)
下段:55日ボリンジャーバンド1σ(緑)
年後半相場の行方は混沌としている。こういう時の相場は投げと踏みの応酬になりやすく、目先の材料で動くと乱高下相場に巻き込まれてひどい目に遭いやすい。標準偏差ボラティリティやADXがどういう位置にあるのか、日々チェックしながら慎重な運用を心がけたい。
[今週の予想レンジ〕
今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい(日足データは2010年7月30日まで)。
<チャートの見方>
上段:9日ADX方向性指数(緑) 保ち合い期間とトレンド期間の判定
20日ATR相場変動幅(赤) 相場リスクの計測
Dynamic Momentum Index(黄) 売られすぎ・買われすぎをみるオシレーター
下段:ゾーントレード=逆張りゾーン(黄)・順張りゾーン(緑)
ドル/円 今週の予想レンジ
ユーロ/ドル 今週の予想レンジ
ユーロ/円 今週の予想レンジ 
ポンド/円 今週の予想レンジ 
豪ドル/円 今週の予想レンジ








