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椎名由紀夫の「FXの方程式」

椎名由紀夫

現役ファンドマネジャー、椎名由紀夫氏がタイムリーに提供する「プロの目から見た」相場見通し、ぜひ皆様の投資戦略のご参考としてお役立てください。

2010年6月アーカイブ

イワイFXウイークリーレポート 2010年6月28日

 先週末のG20声明は玉虫色で、中国の人民元についての言及は盛り込まれずに終わった。
人民元の上昇については年内3~5%程度という見方が大勢だが、今後の人民元を動かす最大の要因は、中国共産党の政治的判断であろう。中国当局は人民元の相場水準や通貨バスケットの構成通貨と比率に関してはなにも言及しておらず、具体的なことは何もわからない。また、1日の変動幅も上下0.5%に維持されているので、急激な人民元高は起こらない。いずれにせよ、中国は現在の人民元過小評価による安上がりの経済発展路線を簡単に放棄するとは思えない。1980年代の円高→それを緩和するための低金利政策→バブルの発生→失われた20年という日本の大失敗を学習している中国が、大幅な人民元の切り上げに応じることはないだろう。

ドル/人民元(日足)
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 先週発表された(米国景気の重要指標である)米国の住宅販売はひどい数字だ。5月の中古住宅販売件数は前月比で-2.2%(予想:+6%)、5月の新築一戸建て住宅販売は前月比-32.7%の30万戸(予想:41万戸)と1963年以来の最低水準となっている。リーマンショックの前は100万戸を割れば不況のシグナルと言われていたので、米国の実体経済の悪化が懸念されよう。これを受けて、米国の利上げは来年半ばまではないと言われている。

 米国の金利が上がらない状況では、ドルの上昇も限定的なものにならざるを得ない。金利が上がるか、ドルが下がるか、いずれかの修正が今後起きるだろう。ドル/円の日足は三角保ち合いを下にブレイクし、やっとドル/円相場も動意づいてきた。こから大きな円高トレンドが出るか(標準偏差ボラティリティとADXが上昇するか)否か、今週の相場展開が注目される。

ドル/円(日足)
中段:26日標準偏差ボラティリティ(黄)・下段:14日ADX(赤)
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 最近のNYダウは取引終了前1時間の動きがおかしくなっており、下落リスクに注意したい。標準偏差ボラティリティとADXの推移をみるとまだ調整相場(ランダム相場)の範疇であるが、調整もかなり進んできており、ここからはトレンドの発生に注意したい。NYダウの戻り相場は移動平均リボン(1~3ヶ月の市場参加者のコスト)の上限で抑えられており、上値の重い状況といえるだろう。企業の資金調達の急減速、銀行の貸し渋りが景気に影を落とすなか、直近のVIX恐怖指数の上昇も不気味だ。6月最終週の動きにファンド勢は注目している。

NYダウ(日足)
上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:移動平均リボン(1~3ヶ月の市場参加者のコスト)
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 外為市場は相変わらずユーロ、ユーロと騒がしいが、ユーロ/ドルもユーロ/円もこの1ヶ月は典型的な調整相場で、現在は次のトレンド待ちの状況である。

ユーロ/ドル(日足)
中段:26日標準偏差ボラティリティ(黄)・下段:14日ADX(赤)
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 下のチャートはユーロ/ドルの日足であるが、MACDの売買シグナルが表示してある。これをみると、相場にトレンド(方向性)がない期間は、売買シグナルの信頼性が極端に低下するのがわかるだろう。

ユーロ/ドル(日足)とMACDのシグナル
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 相場には負けない努力というものがある。それは、相場にトレンドが無いときには、方向性に賭ける大きなポジションを取らないことである。

[今週の予想レンジ〕
 今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい(日足データは2010年6月25日まで)。

 ドル/円相場は三角保ち合いを円高方向にブレイクした。現在、ユーロ安も一服していることから、オバマ政権の中間選挙対策の思惑(ドル安誘導)も絡んでドル売りを囃すファンド勢も多い。今週は米国株が売られれば円高、堅調ならレンジ相場となろう。

<チャートの見方>
上段:9日ADX方向性指数(緑) 保ち合い期間とトレンド期間の判定
   20日ATR相場変動幅(赤) 相場リスクの計測
   Dynamic Momentum Index(黄) 売られすぎ・買われすぎをみるオシレーター
下段:ゾーントレード=逆張りゾーン(黄)・順張りゾーン(緑)

ドル/円 今週の予想レンジ
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ユーロ/ドル 今週の予想レンジ 
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ユーロ/円 今週の予想レンジ
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ポンド/円 今週の予想レンジ
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豪ドル/円 今週の予想レンジ
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IWAIFXウイークリーアウトルック 2010年6月21日

 週末6月19日に中国人民銀行が「人民元の柔軟性を一段と高める方針」を表明した。本日6月21日の市場では早朝こそ円買いが優勢となったが、中国人民銀行が日本時間午前10時過ぎに発表した人民元の対ドル基準値が6月18日と変わらずの1$=6.8275元となったことを受けて、ショートカバー(ドル買い戻し)が進んでいるようだ。

 今回の人民元の柔軟化については、6月のG20前がタイムリミットと以前から言われていたが、「米国やG20の顔を立てた」というパフォーマンス的な感じが強い(オバマ米大統領は人民元相場の弾力化について建設的な一歩との声明を発表)。中国人民銀行も「一度に大幅な切り上げはしない」と強調していることから、得意の牛歩のごとき“ちんたら路線”で、人民元の上昇幅は小幅にとどまる可能性が高い。

 中国が米国債を大量に買ってドルを防衛するのは、今の態勢(人民元安路線)を続ける事が、中国の経済成長にとって最もコスト安だからである。今回の人民元柔軟化の最重要ポイントは、人民元が2008年7月以来、3年ぶりに<ドルペッグ>から<通貨バスケットに対するペッグ>に転換することである。「人民銀の金融政策委員会で学識経験者として委員を務める李稲葵氏は、対ドルでの持続的なユーロ下落は、対ドルでの人民元下落につながる可能性があると指摘している」(ロイター)ように、皮肉にもこの転換によって対ドルの人民元相場は人民元安になる可能性もある。

 いずれにせよ、人民元問題は、変動幅や政策転換の時期が明確でなく、もう少し様子をみる必要があるだろう。

 さて、先週の6月17日に実施されたスペインの10年と30年国債入札は、市場関係者注目のリスクイベントであったが、この入札は無難に通過した。皆が危機に構えているときは、往々にして相場は逆に行く。ECBは5月末の時点で約350億ユーロの政府債を購入しているが、昨日もユーロ圏の各国中銀や政府系ファンドなどがスペイン国債を落札したようだ。ECBは現在も毎日約20億ユーロのギリシャ国債を買っており、投機筋も最近は腰が引けている。ユーロの下値では買い戻しの注文が厚くなってきており、今後は意外な戻りもあるかもしれない。

 この連載でたびたび取り上げてきたように、ユーロ売りのおいしいトレンド部分は、日足ベースでは5月で一旦終わっており、現在は典型的な調整相場だ。即ち、ユーロ安トレンドがピークを打った後の反動相場なので、ユーロが戻し気味の大きなレンジ相場になる。この局面は順張りがワークしにくい。下のチャートはユーロ/ドルの日足であるが、チャート上段の緑の部分がトレンド期間である。中段の矢印は過去2日間のレンジをブレイクしたときに点灯する売買シグナルである。下段は9日のRSIだ。

ユーロ/ドル(日足)
上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
中段:過去2日間のレンジブレイクのシグナル
下段:9日RSI
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 この売買シグナルに盲目的に従ってもあまり意味がないが、緑のトレンド期間は比較的値幅が抜ける。では、現在のようなトレンドのない(順張りがワークしない)期間の売買手法はどうすべきか?ここで参考になるのは9日のRSIである。RSIが30以下にあり、30を上回った時が(逆張りの)買いのシグナルである。昨年9月以降、このような局面は6回あった。しかし、今回の2010年6月のシグナルを除いて、筆者はユーロを買っていない。RSIを使った逆張りが機能するには、相場にトレンドがないことが前提である。RSIが30以下であっても、チャートの水色の部分はすべてトレンド期間であった。

 また、通貨の市場では、21日ボリンジャーバンド2σと13日移動平均3%乖離と相場の値段が交差したときが相場の短期的な転換点になりやすいが、このような局面での逆張りもやはり相場にトレンドがないことが必須の条件となる。

ユーロ/ドル(日足)
上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド2σ(赤)・13日移動平均3%乖離(青)
水色部分での逆張りは危険!
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 現在のユーロ/ドル相場の買い戻しがどこまで続くかはわからないが、オプションでレンジを組んでいれば、ユーロ/ドルが1.25を超えてくると苦しくなる。その場合は、5月高値1.2670をトライする可能性は十分あるだろう。

 最近、通貨ファンドのトレーダーと話すと、必ずドル/円相場に対する愚痴が出る。全くトレンドが出ないので、儲からないという文句だ。現在、ドル/円相場は大きな三角保合形成中で、これを終値でブレイクするか、20ヶ月移動平均線を抜かないと埒があかないのである。もっと言えば、95円と88円をブレイクしないと大相場には発展しない。動かない通貨に固執してもしょうがない。同じ円相場をやるなら、豪ドル/円をトレードするほうがよいだろう。今年の豪ドル/円相場は、まずまず順張りがワークしている。

ドル/円(日足)とMACDの売買シグナル

豪ドル/円のATR(1日)1日の変動幅
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ドル/円(右)のATR(1日)1日の変動幅:ドル/円は1日に1円動かない日が多い
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豪ドル/円(日足)とMACDのシグナル
2010年の豪ドル/円と日経平均はMACDの当たり年?
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〔今週の予想レンジ〕
 今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい(日足データは2010年6月18日まで)。

<チャートの見方>
上段:9日ADX方向性指数(緑) 保ち合い期間とトレンド期間の判定
   20日ATR相場変動幅(赤) 相場リスクの計測
   Dynamic Momentum Index(黄) 売られすぎ・買われすぎをみるオシレーター
下段:ゾーントレード=逆張りゾーン(黄)・順張りゾーン(緑)

ドル/円 今週の予想レンジ
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ユーロ/ドル 今週の予想レンジ 
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ユーロ/円 今週の予想レンジ
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ポンド/円 今週の予想レンジ
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豪ドル/円 今週の予想レンジ
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イワイFXウイークリーアウトルック 2010年6月14日

 ユーロ相場はユーロ圏やIMFからユーロ安歓迎のような発言が出てくると、ユーロ安が止まる(小休止?)という皮肉な展開となっている。ユーロ圏の経済が回復する要因はユーロ安しかない。財政の立て直しや欧州金融機関の不良債権の償却などは、どれも時間のかかる話である。欧州金融機関の不良債権の償却期間中は、銀行の融資厳格化によって貸し渋りが起こるため、ユーロ圏の景気が良くなる可能性は小さいだろう。いずれにせよ、ユーロ圏の経済がどうあれ、相場は循環である。

 相場の上げ下げについて毎日後講釈的な材料での解説がされているが、現在の相場に大した材料があるわけではない。NYダウが大きく下げると市場参加者は悲観的になり、大きく上げると楽観的になるといった有様で、相場は投げと踏みの応酬になっている。

 結局、今の金融市場はNYダウとユーロ/ドルの動向次第だ。しかしNYダウは(日経平均も同様)現在、26日標準偏差ボラティリティがピークアウトしており、先行きが非常に読みにくい。ADXや標準偏差ボラティリティが上昇している期間がトレンド相場であるが、現在はADXや標準偏差ボラティリティがピークアウト(天井をつけ下落)しており、セオリーからは、「トレンド期とはやや逆方向にバイアスがかかった横這いレンジ内での乱高下相場」となる予定である。NYダウも日経平均も現在MACDの買いシグナルが点灯しているが、トレンド相場(売られすぎ相場)の後の自律反発局面にすぎず、相場の方向性に信頼感があるわけではない。

NYダウ(日足)
上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)とMACDのシグナル
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日経平均株価(日足)
上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)とMACDのシグナル
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 ユーロ相場も同様である。ADXがまだ横這い傾向なのが気になるが、26日標準偏差ボラティリティは既にピークアウトしており、乱高下が予想される局面である。ポンド/ドルはより明確なランダム相場となっている。

ユーロ/ドル(日足)
中段:26日標準偏差ボラティリティ(黄)下段:14日ADX(赤)
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ポンド/ドル(日足)
中段:26日標準偏差ボラティリティ(黄)下段:14日ADX(赤)
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 要するに、今の相場は酔っぱらいが千鳥足で歩いているような局面なので、あまり方向性に賭けるような相場つきではないということだ。この局面で相場の勢いにのって安値を売り込んだり、高値買いをするとひどい目に遭う確率が高い。言い換えると、カウンター的な逆張り相場(相場の流れと逆のポジションをとる)の局面だが、逆張りというのは相場の難易度が高い。日足で適当な逆張りレンジを決めてトレードをしてもうまくいく確率は低い。この局面で逆張りをしたい投資家は、相場の時間枠を縮めて1時間足で順張り(21時間ボリンジャーバンド1σ抜け+ADXの上昇で相場に参入する)を行うのがよいだろう。それが、結果的に日足で逆張りしているのと同じことになる。ただし、現在、日足相場にトレンドがないので、1時間足相場で順張りを行っても大きな収益を上げることが難しいのは言うまでもない。

豪ドル/円(1時間足)
上段:21時間ボリンジャーバンド1σ
下段:14時間ADX
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 円相場はNYダウやユーロ/ドルよりも調整相場であることが明確な動きとなっている。現在の円相場は、上がっても下がっても大した意味はないということだ。

豪ドル/円(日足)
中段:26日標準偏差ボラティリティ(黄)下段:14日ADX(赤)
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ユーロ/円(日足)
中段:26日標準偏差ボラティリティ(黄)下段:14日ADX(赤)
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ポンド/円(日足)
中段:26日標準偏差ボラティリティ(黄)下段:14日ADX(赤)
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ドル/円(日足)
中段:26日標準偏差ボラティリティ(黄)下段:14日ADX(赤)
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 日足ベースで相場の方向性に賭ける取引者は、次にADXや標準偏差ボラティリティが上昇する局面を待つのが良いだろう。

 標準偏差ボラティリティやADXを使った相場のトレンド判定は、株式・通貨・債券・コモディティなどあらゆる相場に有効である。トレンド期間ともちあい期間を判別することによって、投資家は相場に対し優位性を持つことができる。これがわからないと、大相場に乗りにくいし、思い切ったポジションも持てないのである。

〔今週の予想レンジ〕
 今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい。(日足データは2010年6月11日まで)

<チャートの見方>
上段:9日ADX方向性指数(緑) 保ち合い期間とトレンド期間の判定
   20日ATR相場変動幅(赤) 相場リスクの計測
   Dynamic Momentum Index(黄) 売られすぎ・買われすぎをみるオシレーター
下段:ゾーントレード=逆張りゾーン(黄)・順張りゾーン(緑)

ドル/円 今週の予想レンジ
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ユーロ/ドル 今週の予想レンジ 
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ユーロ/円 今週の予想レンジ
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ポンド/円 今週の予想レンジ
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豪ドル/円 今週の予想レンジ
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イワイFXウイークリーアウトルック 2010年6月7日

 筆者の「順張り(トレンドフォロー)」取引におけるメインの取引手法は、この連載で何度もとりあげている「ボリンジャーバンド1σブレイク+ADXと標準偏差ボラティリティの上昇局面」である。下のチャートは、ユーロ/ドルの日足である。筆者がポジションを持っている局面は、相場が21日のボリンジャーバンド1σを飛び出し、14日ADXとボリンジャーバンドが上昇している局面である。

ユーロ/ドル(日足)
上段:四角い枠の部分がトレンド相場
下段:21日ボリンジャーバンド1σの飛び出し局面
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 この順張り手法で筆者が損をするのは黄色の枠で囲った部分で、14日ADXと26日標準偏差ボラティリティが上昇し、相場も21日のボリンジャーバンド1σを飛び出したものの、大きなトレンドに発展しなかったケースである。この損失について筆者は何の防御もしていない。相場が21日のボリンジャーバンド1σの内側に入ったら相場から撤退してしまうため、損失が比較的軽微だからである。

 では、トレンドのない相場、すなわち14日ADXと26日標準偏差ボラティリティの下落局面をみてみよう。黄色の枠で囲った14日ADXと26日標準偏差ボラティリティの下落局面は、筆者の独断と偏見で「相場にトレンドはない」と決めつけている。上げては下げのランダム相場、“往って来い”的なジグザグ相場になりやすく、大きなレンジ相場が形成されやすい。この局面で相場を深追いすると、カウンターパンチでノックアウトされることが多い。

ユーロ/ドル(日足)
上段:黄色い枠の部分が方向性のない相場 6月4日のユーロ急落で、トレンドの短期ダブル・ループ(ボラティリティが高い位置からさらに上がる)の危険性がある
下段:ランダムなレンジ相場
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豪ドル/円(日足)現在、26日標準偏差ボラティリティの下落局面
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ドル/円(日足)現在、26日標準偏差ボラティリティの下落局面
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 相場の醍醐味はトレンドをとることであり、一番上のチャートの緑の部分で収益を上げるのが王道である。黄色の枠のトレンドがない局面では、筆者は方向性に賭ける大きなポジションをとっていない。代わりに相場の変動率(ボラティリティ)を売るか、相場が一定のレンジに収まれば儲かるポジション(オプション取引)を作っている。この黄色の枠の部分は順張りが機能しにくいので、調子に乗って大きなポジションを持つと痛い目にあうことが多い。言い換えれば、この黄枠の部分は押し目買いや戻り売りがワークしやすい局面である。

 昨今のユーロ/ドル相場はトレンドが明確で組みしやすい。しかし、相場は時々異常な振る舞いを見せる。「大きなトレンド相場の後はしばらく調整が必要で、大きなトレンド相場のすぐ後に大きなトレンド相場は発生しない」というのが筆者の基本的相場認識なのであるが、これを覆すような相場が結構ある。以下のチャートはドル/円相場の日足で、2004年前半の強烈な“往って来い”相場の記録である。チャートの黄色のところで、筆者はレンジ相場を想定した商いをしていたが、円安トレンドの直後に大きな円高トレンドが発生して散々な目にあった。大きなトレンドがピークアウトしかけたあと、すぐに大きなトレンドが出る場合、筆者のトレードは大きな損を被りやすい。

ドル/円(日足)トレンドがピークアウトしたと思ったら・・
トレンドの短期ダブル・ループ(こういう局面はATRも長期上昇中であることが多い)
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 標準偏差ボラティリティやADXなど、筆者の相場予測の基本となっているのはボラティリティや方向性指数の推移である。この2004年のドル/円相場の損失以降、新しいポジションを取るときは、必ず「未来の価格変動が標準偏差ボラティリティやADXにどのような変動をもたらすかのシミュレーション」をおこなっている。以下は、筆者が表計算ソフト(EXCEL)のシートに、6月18日までのユーロ下げ相場を想定したランダムな値段を入力したシートである。

ユーロ/ドル(日足) 標準偏差ボラティリティの計算シートとシミュレーションの一例
6月7日以降の終値は筆者が入力した仮想値段
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(標準偏差ボラティリティの計算は、相場の終値のデータがあれば、表計算ソフト「エクセル」のSTDEVPという関数で簡単に計算できる)

ユーロ/ドル(日足) 26日標準偏差ボラティリティのグラフ
黄色の部分は筆者が入力した仮想値段
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6月7日時点の26日標準偏差ボラティリティ
イワイFX ユーロ/ドル(日足)
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 今週の相場でユーロがさらに売り込まれると、週末までに標準偏差ボラティリティが底打ちから上昇する確率が高くなる(大きなトレンドがピークアウトしかけたあと、すぐに大きなトレンドが出るという、ボックス圏での収益を狙うオプショントレーダーにとってはありがたくないパターンである)。筆者は、ボラティリティが高い位置からさらに上がる相場はリスクが高いので基本的にポジションは持たない。

 標準偏差ボラティリティやADXが上昇中は「トレンド相場」だが、このトレンドがいつ終わるのかもおおよそ想定が付く。標準偏差ボラティリティに天井感が出たとき、5日~10日先の価格に、上げ相場なら過去2週間程度の高値や、下げ相場なら過去2週間程度の安値を入力すればよい。それで標準偏差ボラティリティが上がらなければ、トレンド相場は最終局面である。

〔今週の予想レンジ〕
 今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい。(日足データは2010年6月4日まで)
<チャートの見方>
上段:9日ADX方向性指数(緑) 保ち合い期間とトレンド期間の判定
   20日ATR相場変動幅(赤) 相場リスクの計測
   Dynamic Momentum Index(黄) 売られすぎ・買われすぎをみるオシレーター
下段:ゾーントレード=逆張りゾーン(黄)・順張りゾーン(緑)

ドル/円 今週の予想レンジ
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ユーロ/ドル 今週の予想レンジ 
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ユーロ/円 今週の予想レンジ
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ポンド/円 今週の予想レンジ
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豪ドル/円 今週の予想レンジ
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