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椎名由紀夫の「FXの方程式」

椎名由紀夫

現役ファンドマネジャー、椎名由紀夫氏がタイムリーに提供する「プロの目から見た」相場見通し、ぜひ皆様の投資戦略のご参考としてお役立てください。

相場の上値余地・下値余地の目安とその計測法

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イワイFXウイークリーアウトルック2010年5月6日
 

 今回のレポートではドル/円相場を例に、筆者が相場の上昇や下落についてのレンジを予測する手法について述べてみたい。相場に絶対の法則などないので、これから述べることはあくまでも仮説であり、目安に過ぎない。

 これまでレポート等で述べてきたが、ドル/円相場はノーマル(強いトレンドが出ていない)相場の場合、概ね13日移動平均線の±2%乖離のバンドの中で動くという傾向を持っている。

ドル/円(日足)2009年9月~2010年5月
13日移動平均線2%乖離(緑)・13日移動平均線3%乖離(黄)
21日ボリンジャ-バンド2σ(赤)
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ドル/円(日足)
上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)とピークアウト(緑)
下段:13日移動平均線2%乖離(青)・13日移動平均線3%乖離(赤)
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21日ボリンジャーバンド2σと13日移動平均線3%乖離のノリシロ
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 5月6日現在のドル/円相場は、ボリンジャーバンド2σが縮小中(横這い)で、2σのレンジは94円77銭~92円25銭となっている。このバンドが今後拡大に転じた時(上昇の確率が高いが上昇・下落の方向性はまだわからない)、上昇の場合、相場は13日移動平均線±2%乖離の95円32銭、下落の場合、91円58銭をトライする可能性がある。それを超えてくると、上昇の場合、13日移動平均線±3%乖離の96円64銭、下落の場合91円01銭をトライする可能性がある。(5月6日現在)

 以上が、筆者のドル/円相場(2週間~1ヶ月程度)のレンジを計測する方法である。要するに13日移動平均線の2~3%乖離を目安にしているということだ。

 13日移動平均線3%乖離に21日ボリンジャーバンド2σを組み合わせると、より相場の輪郭がはっきりしてくる。相場にトレンドが出た場合、21日ボリンジャーバンド2σ(2std)の拡がりは、13日移動平均線の3%乖離と同じレベルに留まることが多い。筆者は13日移動平均線3%乖離と21日ボリンジャーバンド2σ位置が近く、その近辺に相場があるときは、短期的には相場反転リスクが高い局面であると考えている。スウィングトレードだけでなく、むしろデイトレードでこのポイントを抑えておきたい。

 相場が13日移動平均線3%乖離や21日ボリンジャーバンド2シグマの近辺まで上昇または下落し、ボリンジャーバンドが縮小(標準偏差ボラティリティが低下)した時が逆張りの好機となる。注意すべきは、大相場になった場合、13日移動平均線3%超の相場になることも多いので、トレンドが出ている(標準偏差ボラティリティやADXが上昇)時は、3%以上乖離していても逆張りは機能しないことである。標準偏差ボラティリティやADXが低下していない局面の逆張りは大損失の危険が大きすぎる。

 さて、注目のドル/円20ヶ月移動平均線の攻防は、4月終値で20ヶ月移動平均線を上抜くことができなかった(この攻防は5月終値に持ち越し)。

ドル/円(月足)と20ヶ月移動平均線
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 週足一目均衡表の<雲>の抵抗は強力だが、今週から<雲>の上限が下がってきているので<週足終値>での上抜けの期待できる。

ドル/円(週足)一目均衡表の<雲>
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 目先の相場は、出口戦略と米金利に大きな影響をあたえる5月7日の米雇用統計(現時点では非農業部門雇用者数が前月比+18.9万人、失業率は4ヶ月連続で9.7%が予想されている)に注目が集まっている。ドル/円はADXや標準偏差ボラティリティは調整が進んでおり、雇用統計の数字によってはトレンドが発生する可能性があるので注目したい。

 現在の外為市場は引き続きユーロ圏の信用リスクがマーケットテーマとなっており、投機筋が全員集合の状況だ。シカゴのIMM通貨先物取組はユーロ売りが過去最高水準を更新し続けており、反転リスクも高いが、ユーロ/ドルの日足をみているとADXも標準偏差ボラティリティも上昇する形状となっており、今後大相場に発展する可能性もある。値頃感からの逆張りはやはり危険であろう。投機筋のターゲットは6月に1.27という噂だが、ユーロ売りを先導しているユーロ/豪ドルやユーロ/カナダの売りも止まる気配がないので、売り優勢の相場に変わりはないだろう。今やギリシャ問題はギリシャの手を離れ、「ドイツ問題」に変わってしまっているが、5月9日のドイツ地方選から5月19日のギリシャ国債償還までの間のニュースには注意したい。

ユーロ/ドル(日足)
14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(緑)
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ユーロ/ドル(日足)
目先はいいところまで調整が進んでいるが、逆張りはADXや標準偏差ボラティリティのピークアウトを待ちたい
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