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椎名由紀夫の「FXの方程式」

椎名由紀夫

現役ファンドマネジャー、椎名由紀夫氏がタイムリーに提供する「プロの目から見た」相場見通し、ぜひ皆様の投資戦略のご参考としてお役立てください。

2010年3月アーカイブ

イワイFXウイークリーアウトルック 2010年3月29日

 今年の米系のファンドは「米金利とドル/円の上昇に賭けるポジション」を構築しているところが多く、先週は仕掛けに動いたようだ。先週の相場は3月24日(水)がトレンド・デーとなり、ユーロ/ドルやドル円の相場に<日足ベース>でもトレンドが発生した。3月29日現在の相場のトレンドを確認してみよう。

 ユーロ/ドルの<日足>は14日ADXと26日標準偏差ボラティリティが調整を完了し、先週末に上昇に入った。トレンドが発生する条件が十分整っていたが、現在は相場が1σの内側に入っており、トレンドはいったん消滅している。

ユーロ/ドル(日足)ADXの推移と21日ボリンジャーバンド1σの飛び出し局面
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 一方、<1時間足>のほうもADXの上昇=トレンドが続かず、29日11時現在はトレンドがない。

ユーロ/ドル(1時間足)ADXの推移と21日ボリンジャーバンド1σの飛び出し局面
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 これまでのレポートで述べてきたように、ユーロ/ドルは長いタームでみると、現在4年周期のボトムを模索中である。

ユーロ/ドル(月足)20ヶ月移動平均線と4年サイクルの底
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 筆者が注目するもう一つのサイクルは50ヶ月サイクルであるが、ユーロ/ドルは現在50ヶ月サイクルの52ヶ月目である。既に大底をつける時間帯に入っているが、過去のパターンでは相場の大底形成には概ね半年はかかるので、今年の相場で言えば6~7月あたりまでは上下動を交えながら、ユーロ売りの相場が継続される確率が高いだろう。

ユーロ/ドル(月足)と50ヶ月サイクル
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 ドル/円は先週、2007年からの長期抵抗線を上抜いた。移動平均リボンや13-21MA(移動平均)バンドの上での相場展開となっており、ドル買い優勢の局面だ。

ドル/円(日足)2007年からの長期抵抗線を上抜く
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 ドル/円はこのところ日足では大きなトレンドが発生しておらず、休養十分のところからのADXの上昇なので、筆者もここは素直に(相場が1σの上にある限り)ドル買い(日足ベース)を行っている。

ドル/円(日足)21日ボリンジャーバンド1σの飛び出しと14日ADXの推移
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 3月29日11時現在、<1時間足>チャートではユーロ/ドルと同様にトレンドが失われているが、次の仕掛けチャンスを待ちたい。

ドル/円(1時間足)21時間ボリンジャーバンド1σの飛び出しと14時間ADXの推移
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 ドル/円相場のこの先の大きな抵抗線は、一目均衡表の<週足の雲>である。過去のパターンから考えて、95円近辺からは上値が重くなるだろう。

ドル/円(週足) 一目均衡表と週足の雲
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〔今週の予想レンジ〕
 今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい(データは2010年3月26日まで)。

<チャートの見方>
上段:ADX方向性指数(緑) もちあい期間とトレンド期間の判定
   ATR相場変動幅(赤) 相場リスクの計測
   Dynamic Momentum Index(黄) 売られすぎ・買われすぎをみるオシレーター
下段:ゾーントレード=逆張りゾーン(黄)・順張りゾーン(緑)

ドル/円 今週の予想レンジ
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ユーロ/ドル 今週の予想レンジ 
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ユーロ/円 今週の予想レンジ
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ポンド/円 今週の予想レンジ
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豪ドル/円 今週の予想レンジ
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イワイFX ウイークリーアウトルック2010年3月23日

 ドル/円相場はマーケットの蚊帳の外に置かれている。日銀の20兆円バブルで株は堅調になっているが、米国債のマーケットでは米国の出口戦略が遅れるとの観測が浮上しているため、米国債金利の動きが止まっている。米国の金利と連動するドル/円相場の動きが止まっているのは致し方ない。中央銀行が市場の催促に先駆けて、出口戦略(利上げ)を行ったことは一度もない。出口戦略はいつも遅れるのである。だから株はバブル相場になってしまう。

 現在の外為市場はボラティリティ(変動率)の低下が顕著となっている。これは通貨オプション取引に絡んだガンマプレイ(上がったら売って下がったら買うというオペレーション)の応酬によって、相場がレンジ相場になっているからである。

イワイFXチャート ユーロ/ドル(日足)
14日ADXおよび26日標準偏差ボラティリティの低下とレンジ相場
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 シカゴのファンド筋の間では、「この先、4月2日の米雇用統計まではこんな相場が続くのではないか?」といった観測も出ている。材料不足の相場の中で、ギリシャ関連の報道だけは相変わらず活発だ。来週の木・金曜日の「EU首脳会議」に向けて、外為市場ではユーロがらみの相場が続くことになろう。

 現在の外為市場はユーロ絡みで動いているので、ユーロ/ドル相場のトレンドが明確となっている。筆者の短期売買(1時間足)は、最近ユーロ/ドルの順張りのみである。ADXのトレンドがきれいで、比較的稼ぎやすい動きが続いている。

イワイFXチャート ユーロ/ドル(1時間足)
21時間ボリンジャーバンド1σの飛び出しと14時間ADXの上昇局面
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 ユーロ/ドルのトレンドの美しさは他の通貨ペアと比べてもダントツであろう。FXビギナーの方はドル/円や豪ドル/円に比べてなじみがないかもしれないが、要は慣れの問題である。ユーロ/ドルの売買にもぜひトライしていただきたい。

<マルチタイムフレームでみるユーロ/ドル相場>
イワイFXチャート ユーロ/ドル(月足)
21ヶ月ボリンジャーバンド1σの飛び出しと14ヶ月ADXの上昇局面
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イワイFXチャート ユーロ/ドル(週足)
21週ボリンジャーバンド1σの飛び出しと14週ADXの上昇局面
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ユーロ/ドル(日足)
21日ボリンジャーバンド1σの飛び出しと14日ADXの上昇局面
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 どのようなタイムフレーム(時間枠)であっても、「ボリンジャーバンド(21)1σブレイクアウト+ADX(14)」の売買手法が機能していることが、ユーロ/ドルのトレンドの美しさの証明である。


〔今週の予想レンジ〕
 今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい(データは2010年3月19日まで)。

<チャートの見方>
上段:ADX方向性指数(緑) もちあい期間とトレンド期間の判定
   ATR相場変動幅(赤) 相場リスクの計測
   Dynamic Momentum Index(黄) 売られすぎ・買われすぎをみるオシレーター
下段:ゾーントレード=逆張りゾーン(黄)・順張りゾーン(緑)
ドル/円 今週の予想レンジ 
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ユーロ/ドル 今週の予想レンジ 
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ユーロ/円 今週の予想レンジ
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ポンド/円 今週の予想レンジ
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豪ドル/円 今週の予想レンジ
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イワイFXウイークリーアウトルック2010年3月15日

 現在の為替市場の大きなマーケットテーマは「金利」であり、「出口戦略の行方(主に米中の金融政策)」である。金利に敏感な投資環境の下で、3月4日の早朝(夜中の2時)に日経新聞の「日銀は4月に向けて金融緩和策の検討に入った」との報道があったものだから、投機筋はいっせいにドル/円の買いポジションを作った。市場では昨年11月末の日銀金融緩和後にドル/円が大きく上昇したというバイアスが強いため、ニュースの真偽に関係なくマーケットは円安で反応した。ドル/円の88 円台には本邦政府系のビッドがあり、外為特会の借り入れ上限も引き上げられたことで、目先、円は買いにくい状況にある。

 世界中の国が“出口”を模索(金融引き締め)している時に、日本だけが“出口” なしの金融緩和に向かっている現状は、投機筋から見れば奇異に映るだろう。3月12日の日経新聞は、「日銀が追加金融緩和策で新型オペの供給額を20兆円に倍増することを軸に協議する」と報道しているが、「20兆円の日銀バブル」を材料に、日銀金融政策決定会合(16~17日)に向けて投機筋の円売りが加速する可能性がある。一方で、日銀金融政策決定会合の内容が失望的であれば、投機筋のドル買いの投げ売りも出るだろう。今夕16日の米FOMCとあわせて、週前半の動きには注意したい。

 このように売り方優勢の円相場であるが、日足ベースでみると、現在は円買われすぎの反動による調整局面といえるだろう。ここ数週間の14日ADXや26日標準偏差ボラティリティが示唆しているのは、穏やかな円安基調あるいはボックス圏の乱高下相場である。

イワイFX ドル/円(日足)チャート
14日ADXと26日標準偏差ボラティリティの推移(トレンド部分=青)
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イワイFX ユーロ/円(日足)チャート 
14日ADXと26日標準偏差ボラティリティの推移(トレンド部分=青)
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イワイFX 豪ドル/円(日足)チャート 
14日ADXと26日標準偏差ボラティリティの推移(トレンド部分=青)
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 豪ドル/円やドル/円は日足ベースでかなり調整(ボラティリティの低下)が進んでいるものの、次の強力なトレンドが発生していない。次のトレンド待ちの状況にある。

 現在のもう一つのマーケットテーマである「ソブリンリスク」をテーマにした相場は、3月1日のレポート『イワイFXのチャートでみるユーロ相場』で述べたように、とりあえずは飽きられたようだ。

 ギリシャ危機に始まる今回の大がかりなユーロ売りは、(ドルとポンドの防衛のために)陰謀術や風説の流布に長けたロンドン勢を中心とする英米の国際資本筋が仕掛けたと言われている。先週の「弱いユーロを支持せず」というサルコジ仏大統領のコメントは、英米の資本筋への意趣返しだ。そう、為替は政治なのである・・。

イワイFX ユーロ/ドル(1時間足)チャート 
14日ADXと26日標準偏差ボラティリティの推移(トレンド部分=青)
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イワイFX ユーロ/ドル(日足)チャート 
14日ADXと26日標準偏差ボラティリティの推移(トレンド部分=青)
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〔今週の予想レンジ〕
 今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい(データは2010年3月12日まで)。

チャートの見方(サンプル・ドル/円)
上段:ADX方向性指数(緑) もちあい期間とトレンド期間の判定
   ATR相場変動幅(赤) 相場リスクの計測
   Dynamic Momentum Index(黄) 売られすぎ・買われすぎをみるオシレーター
下段:ゾーントレード=逆張りゾーン(黄)・順張りゾーン(緑)
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ドル/円 今週の予想レンジ
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ユーロ/ドル 今週の予想レンジ
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ユーロ/円 今週の予想レンジ
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ポンド/円 今週の予想レンジ
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豪ドル/円 今週の予想レンジ
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イワイFXウイークリーアウトルック 2010年3月8日

 筆者はレポートで相場のテクニカル面を中心に解説しているが、それは相場実践において具体的かつ実用的だからである。

 「いかなる投資家も市場で優位にたつのは不可能である」「誰も市場のリスクに対し平均以上の収益を期待することはできない」という<効率的市場仮説>を展開したバートン・G.マルキールの『ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理』では、ファンダメンタル分析もテクニカル分析も不完全で、特にテクニカル分析はほとんど役に立たないと述べている。そのマルキールが奨めるのは<バイアンドホールド戦略>である。

 運用する立場で言えば、<効率的市場仮説>に逃げ込むのは非常に楽である。株式投資の場合、「インデックスファンドを買って放っておく」ことで運用は完結する。しかし、<バイアンドホールド戦略>は長期のファンダメンタルズが良くなければ成り立たず、また長期予測の難しさを考えれば、それは簡単ではない。少なくとも、日本の失われた過去20年のなかで、日本株投資の<バイアンドホールド戦略>は機能していないのは明らかである。

 サルがやっても人がやっても投資は同じであるという<ランダムウォーク理論>や、<効率的市場仮説>に対して、これまでの相場の長い歴史のなかで、「なんとか市場を打ち負かしてやろう」と考えた人たちが、様々なトレードのアイデアやトレード手法を考えてきた。投資家は、無秩序な市場の動きの中から「無秩序でないトレンド部分」を認識しなければ、収益を上げることは困難であり、そもそも、市場がランダム(無秩序)なら、相場に参加する意味などない。今回のレポートでは、「市場には非効率性(トレンド)や偏向(バイアス)がある」と考えた人たちのなかで、筆者の周辺にいる運用者のトレード手法の一端をいくつか紹介したい。

 一般的に数学的モデルによる予測の手法には、時系列モデルと計量経済モデルの2つがある。これらの分析手法で予測の精度を上げるため、これまで大変な努力と研究が行われてきたが、1976年に(誤差項を最小化するパラメータを探るため最小二乗法を使うという)ボックスとジェンキンスによる<自己回帰移動平均モデル>(通称アリマ・モデル)が発表されるまでは、相場の実践において使えるモデルはなかった。アリマ・モデルによって<効率的市場仮説>の検証を行うと、市場には非効率部分(=トレンド)が存在することが証明されている。

 アリマ・モデルは計算式が難しく、読者のなかでも金融工学に明るい人や理工系の人以外はチンプンカンプンであろう。筆者も含めた一般人は、市販の統計ソフトを使うか、表計算ソフトのアドイン・ツールを使うしかない。最近のクオンツ系ヘッジファンドでは、為替相場の転換点をとらえるために、<分散不均一の自己回帰過程モデル>(通称アーチモデル)も採用されている。アリマ・モデルを応用したトレードシステムは、これまで長期にわたって優秀なパフォーマンスをあげているが、日本ではほとんど知られていない。

アリマ・モデルを使った日経平均先物(1994年6月限)の売買シグナル
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 筆者はアリマ・モデルの売買システムを持っているが、ある理由から現在は使っていない。順張りのシステム売買に共通して言えることは、順張り系のモデルで長期にわたって収益を上げるには、ある程度の商品分散(すくなくとも株や債券、コモディティなど、10商品以上への投資)が必要である。

 面白い売買手法がある。それは、<相関分析>を基にした売買手法である。ある為替トレーダーのオフィスを訪ねたところ、そのトレーダーは米国債の30分以下の時間足と週足だけを見ていた。為替市場の値動きそのものを分析せず、米国金利チャートの移動平均の差(ゴールデンクロス・デッドクロス)だけで為替の売買をおこなっているのである。最近の「正の相関関係」(米金利上昇―ドル高・円安→日本株高など)を利用すれば、このような売買手法も成り立つのだろう。為替を見ない為替のトレードシステムという発想は筆者の想像を超えるものであった。

 日本でも人気がある<波動分析>や<サイクル分析>はマニアックな世界で、分析する人(の力量)によって解釈が異なってくる。相場の秘法や秘伝とよばれるものにはこの類のものが多いが、ようするに解釈が単純ではない。非常に複雑なのである。「相場は奥が深い」のと同じように、この種の分析も奥が深い。筆者もこれまでいろいろな<サイクル分析>や<ローソク足>等の分析をおこなってきたが、能力不足のため何年たっても開眼しない。(困ったものである)

 <波動分析>や<サイクル分析>を使うトレーダーは多いが、波動およびサイクル分析を使って相場で成功するには、“素早いシナリオの修正”が必要となる。そうでないと、思い込みでやっているので、大きな損失を被る可能性が大きい。この種の手法で成功しているトレーダーには、ある共通点がある。それはストップロスの徹底である。筆者も過去に先輩トレーダーから「相場には賞味期限がある」ということを叩き込まれたが、「価格のストップロス」だけでなく、「時間のストップロス」も使っていることがポイントだ。

 筆者が使っている「Bollinger bands(21)1σBreakout with ADX」(ボリンジャーバンド1σブレイクアウト手法)や標準偏差ボラティリティ=StdDev(26)は、市場の非効率部分(ランダムでない方法性のあるトレンド部分)のシンプルな発見手法である。

イワイFXチャート ユーロ/ドル(日足)
上段:Bollinger bands(21)1σBreakout
中段:14日ADX
下段:26日StdDev(標準偏差ボラティリティ)
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〔今週の予想レンジ〕
 今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい(データは2010年2月26日まで)。

●チャートの見方(サンプル・ドル/円)
上段:ADX方向性指数(緑) もちあい期間とトレンド期間の判定
   ATR相場変動幅(赤) 相場リスクの計測
   Dynamic Momentum Index(黄) 売られすぎ・買われすぎをみるオシレーター
下段:ゾーントレード=逆張りゾーン(黄)・順張りゾーン(緑)
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ドル/円 今週の予想レンジ
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ユーロ/ドル 今週の予想レンジ
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ユーロ/円 今週の予想レンジ
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ポンド/円 今週の予想レンジ
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豪ドル/円 今週の予想レンジ
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イワイFXウイークリーアウトルック2010年3月1日

 欧州PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国を巡る負の連鎖が続き、ユーロ安相場が続いている。2月1日のレポート『通貨ファンドが注目するユーロ/ドルの20ヶ月移動平均線』で述べたように、ユーロ/ドルは20ヶ月移動平均線を割り込んだことで弱気相場に転換し、現在4年サイクルの底を模索中である。シカゴ市場界隈では投機筋の最終ターゲット(長期ターゲットで目先ではない)価格として、ユーロ/ドルの1.24、ユーロ/円の112円が話題となっている。

ユーロ/ドル(月足)20ヶ月移動平均線とフィボナッチのリトレースメント
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 そのような価格が実現するかどうか、筆者はわからないが、目先の相場はユーロの下げエネルギーが衰退している。相場の変動率の大きさや方向性を示唆する26日標準偏差ボラティリティ(STD26)や14日ADX(ADX14)は現在ピークアウトしており、日足もボリンジャーバンドの2σにタッチすることなく推移していることから、ここからの相場は大きなボックス圏で乱高下する確率が高くなる。もう一段下げるにしても、いったんは値幅か日柄の調整が必要な踊り場の局面だ。(チャートAのシナリオ)

 一方で、現在のユーロ相場は負の連鎖相場になっていることから、突発的な悪材料が出やすい環境にある。その場合、可能性は低いものの、ボラティリティ(変動率)が高い位置から再上昇する可能性があり、オプション市場の損切りも巻き込んだユーロ売りが継続する可能性も残されている。(チャートBのシナリオ)

ユーロ/ドル(日足)14日ADXと26日標準偏差ボラティリティ
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 ダイナミックモメンタム(RSIに変動率を加えたオシレーター)は、価格との逆行(ダイバージェンス)状態(ユーロ/ドルの日足)となっており、ユーロのリバウンドにも注意が必要な状況にある。

ユーロ/ドル(日足)ダイナミックモメンタムは逆行状態
2σにタッチしながら下げるバンドウォーク(強いトレンド=緑色の部分)
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 また、ユーロドルは90日移動平均線の-5%を超えるところまで下げており、いったんは投機筋の目標達成の水準といえよう。

ユーロ/ドル(日足)90日移動平均線の±5%乖離と200日移動平均線の10%乖離
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 1時間足もランダムな動きとなっており、先週は大きなトレンドが出ていない。

ユーロ/ドル(1時間足)21時間ボリンジャーバンド1σと14時間ADX
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 要するに、ユーロを中心に動いている外為相場は、現在、売るのも買うのもこわい状況で、「トレードの勝率が高い局面ではない」ということだ。この局面のトレードは1時間足での短期売買に留めたい。

ユーロ/ドル(日足)14日ADXと26日標準偏差ボラティリティ
<勝率の高いところ(ADX・STDの上昇局面)はいったん終わった>
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〔今週の予想レンジ〕
 今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい(データは2010年2月26日まで)。

チャートの見方(サンプル・ドル/円)
上段:ADX方向性指数(緑) もちあい期間とトレンド期間の判定
   ATR相場変動幅(赤) 相場リスクの計測
   Dynamic Momentum Index(黄) 売られすぎ・買われすぎをみるオシレーター
下段:ゾーントレード=逆張りゾーン(黄)・順張りゾーン(緑)
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ドル/円 今週の予想レンジ
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ユーロ/ドル 今週の予想レンジ
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ユーロ/円 今週の予想レンジ
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ポンド/円 今週の予想レンジ
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豪ドル/円 今週の予想レンジ
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