イワイFXウイークリーアウトルック 2009年12月14日
12月4日の米雇用統計の発表(内容についてはみな疑心暗鬼だが・・)を受けたNY時間の外為市場では、米国の早期利上げ観測からドルが全面高となり、ドル/円相場は1999年以降で最大の上昇率を記録した。この日のドルの上昇は米雇用統計という外部要因がきっかけとなっただけで、ドル売られすぎ局面からの自立反発(ドルのショートカバー)という市場の内部要因による影響が大きい。
ドル/円(月足)60ヶ月移動平均線(赤)と-20%乖離ライン(青)

現在、ドルのリバウンドが期待できる局面にあるが、このまま一直線にドル高となるほど相場は単純ではない。日足のチャートをみてみると、相場が200日移動平均線に接近・タッチあるいはブレイクしたあとはいったん反発するものの、もう一度安値を試しに来ることが多い。ここで前回安値を維持し一回目の反発の高値を抜いてくると、とりあえずドルの底打ちが確認できる。
ドル/円(日足)200日移動平均線(赤)と10%乖離ライン(緑)

ドル/円相場は11月27日安値84円76銭から12月4日高値90円77銭まで約6円の上昇をみたが、12月9日には87円35銭まで下落した。12月7日に“ヘリコプター”ベン・バーナンキFRB議長が「米経済は恐ろしい向かい風に直面している。雇用市場は脆弱だ」と発言したことで、早期利上げ期待が一気に冷え込んだからだ。昨今のドル/円相場は米長期金利とほぼ連動している。当局者の発言やFOMCのコメントに相場は過剰反応するので、今後も要人発言日程には注意が必要だ。
さて、ドバイ危機以降、カントリーリスク(相手国の事情により債務の返済や投融資の回収が不可能となるようなリスク)がマーケットテーマに浮上し、ギリシアやスペインに危機が波及してきている。現在、PIGS(ポルトガル・アイルランド・イタリア・ギリシア・スペイン)やロシア・英国が財政赤字から投機筋の標的にされている。毎日、この類のニュースで一喜一憂の相場が続いているが、12月15日以降はクリスマス休暇で流動性が極端に落ちるので、イベントリスクには注意したい。対処としてはストップ・ロス注文を置いておくしかないだろう。
豪連邦統計局が12月10日に発表した11月の豪雇用統計は、3ヶ月連続で就業者数が増加し、5.7%に低下した。来年2月の利上げが噂されているが、豪ドルも現在、ドルキャリー取引の巻き戻しの対象となっており動きが鈍い。
豪ドル円(右)の日足
上段:14日ADX(方向性指数)下段:21日ボリンジャーバンド1σ 
シカゴ市場ではドルキャリー取引の巻き戻しが話題となっている。現在、米長期金利の上昇から、(クリスマス休暇前のポジション整理も絡んで)ドルキャリー取引のポジションを解消、またはドルキャリーから円キャリーへシフトするファンドが多くなっている。当然、ドルキャリー取引の運用先となっていた原油・ゴールド・豪ドルなどの市場にもその波及効果が出ている。この先も、ドル相場のカギを握る<米10年国債金利>
http://finance.yahoo.com/q?s=%5ETNX
の動向に注目したい。
米10年国債金利とドル円(日足)

ドル/円(日足)13-21日移動平均バンドとフィボナッチのリトレースメント13-21日移動平均バンドを終値でこらえており、目先はドルが戻すか・・?

先週のレポートにも書いたが、筆者は現在ドルインデックスのもう一段の修正高をにらんだドル/円の押し目買い+吹き値売りを続行中である。今週から本格的なクリスマス休暇シーズンに入るが、流動性不足のなか相場が投機的になりやすいので、ストップ・ロス注文を忘れずに置いておきたい。
〔今週の予想レンジ〕
今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい。(データは2009年12月11日まで)
ドル/円 今週の予想レンジ

ユーロ/ドル 今週の予想レンジ

ユーロ/円 今週の予想レンジ

ポンド/円 今週の予想レンジ

豪ドル/円 今週の予想レンジ








