イワイFXウイークリーアウトルック 2009年12月7日
久しぶりに本屋をのぞいてみたら、いわゆる「恐慌本」と言われる本が何冊も平積みになっていた。ちょっと立ち読みしてみたのだが、大胆な円高予想のオンパレードであった。TVなどのマスメディアの報道も「ドバイショックで円高」と大騒ぎである。こういった状況になると、往々にして相場が逆に動くことが多いので気をつけたいと思っていたところに、週末の米雇用統計が大きなサプライズとなり、ドルは全面高となってしまった。
ドル/円相場は安値から2円50銭(今回の場合は87円30銭超え)以上反転したら、目先の円高は概ね終了である(11月27日の20日ATR=92銭×2=1円84銭反転した86円64銭で短期の円買い投機筋も相場から降りている)。今後、再度85円を相場が割り込んでくると(筆者は84円80銭を相場の長期サイクルの大底とは思っていない)、82円や79円75銭をターゲットとした円高が再燃するかもしれないが、現在は円高がとりあえず終了した格好となっている。
今回のドル高は雇用統計のサプライズもあるが、円高持続が限界に達したための自律反発の側面も大きい。
ドル/円相場は11月27日安値の84円80銭で200日移動平均線のマイナス10%乖離のバンドにタッチした。この現象が起きると、間もなく相場が大きく反転する可能性が高くなる。
ドル/円(日足)200日移動平均線(赤)と±10%乖離バンド
また、11月27日のドル/円の安値は60ヶ月移動平均線のマイナス20%乖離のラインに到達している。リーマンショック後の円高もマイナス20%乖離で止まっており(その後、いったんマイナス10%乖離のラインまで反発)、今回もこの水準で反発した。
ドル/円(月足) 60ヶ月移動平均乖離バンド
10%乖離(緑)・20%乖離(青)・30%乖離(赤)
筆者は現在、大局ドル安相場という認識を持っているが、年後半(10月~12月)にドル安パターンが出現したときは、タイミングを計りながらドル買いを行うというのが、年末年始の恒例行事となっている。
筆者のこれまでの相場経験では、10月~12月期のドル安トレンドは、年が明けると反転し、2月頃までドル高になることが多い。2008年の相場ではこの戦略は失敗したが、2009年の相場では大きな収益を上げることが出来た。これは、順張り戦法の多い筆者の取引手法の中で数少ない逆張り手法である。こういったパターン分析に基づく中期投資の売買手法(相場の転換点を当てるゲーム)は失敗するとリスクが大きいので、レバレッジや資産管理上のポジション調整をまめに行う必要がある。11月27日以降、現在まで相場の押し目でドルを拾っているが、相場が85円を割り込めばいったん撤退である。いずれにせよ、今後、2010年2月まではドルの急落があれば、相場観が変わるまで(5回くらいは損切りをするかもしれない・・)筆者は何度でもドル買いをトライしていくことになる。
ドル/円(月足)10~12月期のドル安相場(黄枠)と1月相場(赤枠)
(1991年~2009年)
ドル/円(月足) 10~12月期のドル安相場(黄枠)と1月相場(赤枠)
(2001年~2009年)
上に述べてきたように、ドル/円相場の円高の循環はとりあえず底打ちとなったが、ドル/円相場は現在5年サイクルの最終局面にあり、最もドルが弱く円高の波動がエクステンション(延長)しやすい位相にある。頑なに相場を決めつけず、朝令暮改の柔軟な姿勢で臨みたい。相場は一にストップロス、二にストップロスである。
ドル/円(月足) ドルの5年サイクル(赤)と2年サイクル(青)
昨今のドル/円相場は米10年国債金利と連動して動くので、米10年国債金利の動きは常にチェックしておきたい。
〔今週の予想レンジ〕
今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい。(データは2009年12月4日まで)
ドル/円 今週の予想レンジ
ユーロ/ドル 今週の予想レンジ
ユーロ/円 今週の予想レンジ
ポンド/円 今週の予想レンジ
豪ドル/円 今週の予想レンジ







