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椎名由紀夫の「FXの方程式」

椎名由紀夫

現役ファンドマネジャー、椎名由紀夫氏がタイムリーに提供する「プロの目から見た」相場見通し、ぜひ皆様の投資戦略のご参考としてお役立てください。

ドル/円は調整局面入りか?

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イワイFXウイークリーアウトルック 2009年10月19日

 ドル全面安相場となっている。ドルインデックスの76割れ、ユーロ/ドルの1.5接近、豪ドル/ドルの0.92超えなどドル安相場が加速中だ。一方、豪ドル/円を中心にクロス円相場が上昇したことから、円相場はドル安トレンドの蚊帳の外となり、ドル/円も87~88円を抜けずに90円台に戻してきた。相場周期的には、先週を起点に2週間から5週間の調整局面(ドルのリバウンド局面)に入った可能性がある。

豪ドル/ドル(左)・ユーロ/ドル(中央)・ポンド/ドル(右)の日足
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豪ドル/円(左)・ユーロ/円(右)の日足
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ポンド/円(左)・ドル/円(右)の日足
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 株式市場をはじめとして、金余り相場で金融市場のボラティリティ(変動率)がいっこうに上がらない。これは各国のバブル政策と金融緩和というPKOに因るところが大きい。今年の外為相場はATRも相場変動幅が長期に上がらないし、株が下がらないので、株価連動のクロス円も本格的な円高となりにくい。本格的な円高局面というのは株価下落によるリスク収縮局面が多いが、今後、80円に向かうような本格的な円高局面があるとすれば、株価の下落とボラティリティの上昇が起きるだろう。

豪ドル/円とユーロ/円の20日ATR
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 現在はまだ過剰流動性による金融相場が継続しており、そのような兆候はみられない。バブル相場の賞味期限は半年から最長1年半であるが、現在はその8ヶ月目である。株が上昇基調にあるうちは、為替相場の大きな波乱(円高)はないのかもしれない。

 さて、8月15日のポンド相場で筆者はひどい目に遭ったが、これは、イングランド銀行(BOE)のフィッシャー理事がFT紙とのインタビューで、「資産買い入れプログラムが、開始時に望んでいた規模とスピード面での効果をあげていることを一段と確信している」と発言したことがきっかけだ。英国が簡単に量的緩和の解除が出来るとは思えないが、現在、最もバブル状況にあるのは各国中央銀行(とくに米・英)なので、当局者の発言はショートカバーを誘いやすい。本日19日はユーロ高に不満を持っているユーロ圏財務相会合が予定されており、11月の3日・4日は米FOMCが控えている。当局者の発言やイベントリスクには注意したい。

 一方、オーストラリア準備銀行(RBA)のスティーブンス総裁は、「経済の強さにより豪ドルは1.10米ドルにまで押し上げられる可能性がある。豪中銀は追加利上げを行う上で、消極的になり過ぎることはない」と発言しており、各国の通貨高に対する認識にはかなり温度差があるようだ。

 豪ドルやユーロ、あるいはクロス円相場も買われすぎの状況にさしかかっているなか、ファンダメンタルズを考えていても埒があかない。買えばよいのか、売ればよいのか、ますますわからなくなっていく。不安になるだけだ。

 やはり「1時間足」のトレードが一番手堅い。ボリンジャーバンドの1σの外だけで、相場をやっていればよいので気楽である。移動平均の傾き+ADXの上昇局面であればいつでも出動できるし、最高値を買うのも最安値を売るのもこわくない。筆者の22年間の相場生活のなかで最も合理的で効率的な売買手法である。

ドル/円(1時間足)
21時間ボリンジャーバンド1σの飛び出し局面と14時間ADXの推移
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ドル/円(日足)
21日ボリンジャーバンド1σの飛び出し局面と14日ADXの推移
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 以下のチャートは今年の1月1日を100とした対ドル相場のパフォーマンスだ。今後も上下動はあるものの、G20および世銀やIMFで共有された貿易不均衡の是正=穏やかなドル安という大きなトレンドは変わらないと思われる。

対ドル相場の推移(2009年1月1日=100)
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 冒頭に述べたように、先週の反発でドル/円相場は、ドル弱気サイクルの中でのアヤ戻し局面に入った可能性がある。通常、修正高(ドルのリバウンド)は短ければ2週間、長ければ5週間程度である(即ち10月4週~11月2週の期間)。いずれにせよ、今週は先週のトレンドを引き継ぐ可能性が高い。一方、中・長期の投資家は、相場をみながら今後の数週間でドルの戻り売りの機会を模索すべきであろう。

 今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい。

ドル/円 今週の予想レンジ
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ユーロ/ドル 今週の予想レンジ
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ユーロ/円 今週の予想レンジ
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ポンド/円 今週の予想レンジ
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豪ドル/円 今週の予想レンジ
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