イワイFX ウイークリーアウトルック2009年10月26日









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椎名由紀夫
現役ファンドマネジャー、椎名由紀夫氏がタイムリーに提供する「プロの目から見た」相場見通し、ぜひ皆様の投資戦略のご参考としてお役立てください。
イワイFX ウイークリーアウトルック2009年10月26日









イワイFXウイークリーアウトルック 2009年10月19日
ドル全面安相場となっている。ドルインデックスの76割れ、ユーロ/ドルの1.5接近、豪ドル/ドルの0.92超えなどドル安相場が加速中だ。一方、豪ドル/円を中心にクロス円相場が上昇したことから、円相場はドル安トレンドの蚊帳の外となり、ドル/円も87~88円を抜けずに90円台に戻してきた。相場周期的には、先週を起点に2週間から5週間の調整局面(ドルのリバウンド局面)に入った可能性がある。
豪ドル/ドル(左)・ユーロ/ドル(中央)・ポンド/ドル(右)の日足
豪ドル/円(左)・ユーロ/円(右)の日足
ポンド/円(左)・ドル/円(右)の日足
株式市場をはじめとして、金余り相場で金融市場のボラティリティ(変動率)がいっこうに上がらない。これは各国のバブル政策と金融緩和というPKOに因るところが大きい。今年の外為相場はATRも相場変動幅が長期に上がらないし、株が下がらないので、株価連動のクロス円も本格的な円高となりにくい。本格的な円高局面というのは株価下落によるリスク収縮局面が多いが、今後、80円に向かうような本格的な円高局面があるとすれば、株価の下落とボラティリティの上昇が起きるだろう。
豪ドル/円とユーロ/円の20日ATR
現在はまだ過剰流動性による金融相場が継続しており、そのような兆候はみられない。バブル相場の賞味期限は半年から最長1年半であるが、現在はその8ヶ月目である。株が上昇基調にあるうちは、為替相場の大きな波乱(円高)はないのかもしれない。
さて、8月15日のポンド相場で筆者はひどい目に遭ったが、これは、イングランド銀行(BOE)のフィッシャー理事がFT紙とのインタビューで、「資産買い入れプログラムが、開始時に望んでいた規模とスピード面での効果をあげていることを一段と確信している」と発言したことがきっかけだ。英国が簡単に量的緩和の解除が出来るとは思えないが、現在、最もバブル状況にあるのは各国中央銀行(とくに米・英)なので、当局者の発言はショートカバーを誘いやすい。本日19日はユーロ高に不満を持っているユーロ圏財務相会合が予定されており、11月の3日・4日は米FOMCが控えている。当局者の発言やイベントリスクには注意したい。
一方、オーストラリア準備銀行(RBA)のスティーブンス総裁は、「経済の強さにより豪ドルは1.10米ドルにまで押し上げられる可能性がある。豪中銀は追加利上げを行う上で、消極的になり過ぎることはない」と発言しており、各国の通貨高に対する認識にはかなり温度差があるようだ。
豪ドルやユーロ、あるいはクロス円相場も買われすぎの状況にさしかかっているなか、ファンダメンタルズを考えていても埒があかない。買えばよいのか、売ればよいのか、ますますわからなくなっていく。不安になるだけだ。
やはり「1時間足」のトレードが一番手堅い。ボリンジャーバンドの1σの外だけで、相場をやっていればよいので気楽である。移動平均の傾き+ADXの上昇局面であればいつでも出動できるし、最高値を買うのも最安値を売るのもこわくない。筆者の22年間の相場生活のなかで最も合理的で効率的な売買手法である。
ドル/円(1時間足)
21時間ボリンジャーバンド1σの飛び出し局面と14時間ADXの推移
ドル/円(日足)
21日ボリンジャーバンド1σの飛び出し局面と14日ADXの推移
以下のチャートは今年の1月1日を100とした対ドル相場のパフォーマンスだ。今後も上下動はあるものの、G20および世銀やIMFで共有された貿易不均衡の是正=穏やかなドル安という大きなトレンドは変わらないと思われる。
対ドル相場の推移(2009年1月1日=100)
冒頭に述べたように、先週の反発でドル/円相場は、ドル弱気サイクルの中でのアヤ戻し局面に入った可能性がある。通常、修正高(ドルのリバウンド)は短ければ2週間、長ければ5週間程度である(即ち10月4週~11月2週の期間)。いずれにせよ、今週は先週のトレンドを引き継ぐ可能性が高い。一方、中・長期の投資家は、相場をみながら今後の数週間でドルの戻り売りの機会を模索すべきであろう。
今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい。
ドル/円 今週の予想レンジ
ユーロ/ドル 今週の予想レンジ
ユーロ/円 今週の予想レンジ
ポンド/円 今週の予想レンジ
豪ドル/円 今週の予想レンジ
イワイFX ウイークリーアウトルック2009年10月13日
10月6日に英インディペンデント紙が報じた「アラブ湾岸諸国が原油取引での米ドル利用中止に向け、ロシア・中国・日本・フランスと極秘に協議している(情報源はアラブと中国系在香港の銀行筋)」「円・元・ユーロ・ゴールドなどの通貨バスケットの利用が協議の中心となっている。また、原油取引の通貨バスケット建てへの移行は9年以内の実施が提案されているという」という記事は、投機筋のゴールド買い・ドル売りの格好の材料とされたようだ。
10月8日のNY時間にドルインデックスは2008年8月以来低水準となる75.767まで下げた。この水準は重要なサポートラインであり、現在、ドルが一旦反発するか、ドルの底が抜けるかの正念場に差し掛かっている。
ドルインデックス(日足)
グリーンスパン前FRB議長が金本位制論者だったことから、1990年代には通貨バスケット構想が外為市場の一部で噂になり、カーター政権時代にはIMFのSDR(特別引出権)を基軸通貨として使う構想も浮上したようだが、これらは噂であり(当然だが)、これまで実現はしていない。しかし、昨年のリーマンショック以降、FRBのポートフォリオが最大のバブルとなりドルの信任が揺らぎだしてからは、グローバルマクロ投機筋のドル売りのロジックとして、通貨バスケット構想や金兌換復活構想などがリバイバルしている。
ヘッジファンドのポールソンから独立した当たり屋ファンドマネージャーであるペレグリーニ氏が「わたしはFRBの行動に全く信頼を置いていない」と述べているように、市場には潜在的な中央銀行バブルへの恐怖感がある。今は金本位制ではないので、いくらでも印刷機をまわしてマネーを供給することが可能(歯止めがない)であるが、これをやっているとバブルの発生と崩壊・インフレ(金利上昇)・通貨安といった副作用がかならず出てくるのである。
1966年の論文『金と経済的自由』でグリーンスパン氏が述べた「金(ゴールド)と経済的自由とは不可分である。金本位制という制度下でなければ、インフレーションという名の略奪から我々の資産を守ることは出来ない。我々の財産を守るには、金が欠かせないのである。このことをしっかり理解していれば、政治家達が金本位制に反感を感じている理由が、容易に理解できるだろう」という資産防衛意識が中国や世界の富裕層を触発している。
ゴールド高を牽引しているのは中国である。市場では「中国政府が金準備を増やす」という見方が根強く、売り物を大量に拾っているとの噂もある。中国としては、ドルの“代替通貨”としてユーロは当てにならないので、実物資産の購入や金準備を増やすしかないだろう。
ゴールド先物(日足)
現在、先進国経済はディスインフレかデフレに向かっているので、現在のインフレヘッジとしてのゴールド高がいつまで継続するかはわからないが、資源パラノイアと呼ばれる中国勢はとにかく一定量を保有するまでは買い漁るので、この動きは侮れない。G7では米国の代弁者と言われるカナダからの発言が目立ったが、カナダのフレアティ財務相は「世界の貿易不均衡を是正するには柔軟な為替レートの推進が重要な鍵になる」と述べている。G20が米貿易赤字などの世界的な不均衡の是正を進めていくには、穏やかなドル安が不可欠だが、ゴールド高によってドル安のトレンドが強化されていることに注意したい。
基本的にバブル(過剰流動性)相場の中でのマイルドなドル安相場が続いているので、日足ベースでも1時間足ベースでも気まぐれな動きをするのが現在の相場の問題点だ。相場が当たっていても、ポジションを切らされてしまうという局面も多い。なかなか手強い相場である。ドルインデックスの76やドル/円の88円が堅く、ここを割り込むまでは短期筋のドル買い戻しが優先されるだろう。ドル/円は90円60銭を抜けてくると92円台まで戻す可能性がある。投機筋は88円割れの水準に順張りのドル売り、92円50銭近辺にドルの戻り売りをセットしている。短期投資家のドル買い戻しと、長期投資家のドル売りの均衡するポイントは92円水準にあるようだ。短期周期的には1~2週間程度のドルのリバウンドもあり得る局面だが、G20およびIMFと世銀の総会で確認された穏やかなドル安政策という大きな流れは当面変わらないだろう。
ポンド/円の1時間足
21時間ボリンジャーバンド1σの飛び出し局面と14時間ADXの推移
ドル/円の日足
21日ボリンジャーバンド1σの飛び出し局面と14日ADXの推移
今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい(予想は10月12日時点のもの・データは10月9日まで)。
ドル/円 今週の予想レンジ
ユーロ/ドル 今週の予想レンジ
ユーロ/円 今週の予想レンジ
ポンド/円 今週の予想レンジ
豪ドル/円 今週の予想レンジ
●円相場の相場変動幅(ATR)の動向(データは2009年10月12日まで)
ドル/円およびクロス円市場は「円の上昇時に変動幅が拡大し、円の下落時に変動幅が縮小する」という市場の構造を持っている。(特に変動幅縮小の過程では円安になりやすいというのが円相場の特徴である)ドル/円やクロス円通貨は、ATR(アベレージトゥルーレンジ)が下がる過程で円安、上がる過程で円高となるパターンが多い。黄色の期間は円の売り放置やキャリー取引はリスクが高くなる。
豪ドル/円(左)とユーロ/円(右)の20日ATR
ポンド/円(左)とドル/円(右)の20日ATR
イワイFXウイークリーアウトルック2009年10月5日
グローバル・マクロ・ファンド(マクロ経済予測に基づいて相場の方向性に掛けるポジションをとるファンド)の間で最近話題となっているのが、G7からG20への移行による外為市場の構造変化である。
先進国はGDPの分母も大きく、どこも低成長である。低成長の先進国に投資しても儲からないので、新興国の成長から収益を得ようというのが、ここ数年のグローバルな資本家の戦略といわれているが、それを受けて国際経済の意思決定の場はG7からG20に移行した。2009年9月25日のG20(20ヶ国・地域首脳会議)声明で、今後はG20を世界経済に関する第一の協議の場とすることが正式に表明された。このパワーシフトによって外為市場にも大きな構造変化がもたらされるだろう。
9月25日のG20で確認されたことは、グローバル・インバランス(世界不均衡)の是正、すなわち国際貿易収支の再均衡である。これは世界経済の構造改革であり、今後の為替相場の大きなトレンドを決する決定であるので、これからのG20の動きには最大限の注意を払う必要があろう。通貨の歴史は政治の歴史でもあるからだ。
G7からG20へのパワーシフトと米国の通貨政策
G20の動きと合わせたように、9月27日に世銀のゼーリック総裁が「世界の経済力はシフトしており、成長は複合的な要因によってもたらされるという事実を認識する必要がある」「米国が世界の独占的な基軸通貨としてドルの地位を当然視すれば、それは間違いだ。今後は他の選択肢も増えてくるだろう」(ブルームバーグ)と述べたことで波紋を呼んでいる。ゼーリック総裁は、昨年から「今日の世界にふさわしい新たな多国間協調主義は、柔軟なネットワークが求められている」と述べており、G7の崩壊と世界の多極化を予想していた。また10月1日にはIMFエコノミストがアジア通貨上昇の必要性を示唆(ロイター)との報道もあったが、これらはすべて軸を一にしている。
マサチューセッツアベニューモデル(ポリシー・ミックスの基本)
G20の決定が示唆するのは、米ドルの穏やかな減価政策である。通貨の歴史をみてみると、米国は好景気の時はドル高政策を、不景気の時はドル安政策をとっており、現在はドル安政策を採用していると思われる。ドルの印刷機をフル回転させたバーナンキFRB議長がとっている政策は「積極財政・低金利・通貨安」のポリシー・ミックスであり、目的はデフレ回避である。大恐慌研究の専門家であるバーナンキFRB議長の恐慌回避策の結論は「ジャブジャブの流動性・金融システムの整備・通貨安」の3点セットのようだ。また、オバマ政権のサマーズ国家経済会議(NEC)委員長は「ドル安を誘導し、米国の輸出力を回復することで、米国経済の中心を消費から生産に戻したい」と述べている。「強いドルは米国の国益」という言葉は、急激なドル安を避けるための口先介入にすぎないだろう。
G7がG20に移行した背景には米国の構造改革とグローバル資本家の思惑が複雑にからみあっていると言われている。現在の米国は穏やかなドル安をとっているという思惑から、いくつかのグローバル・マクロ・ファンドはドル売りポジションを構築している。ドル/円は80円台に入り、値頃感からのドル買いも出ているようだが、投機筋は介入ポイントといわれる85円を試しにくる可能性がある。ドル/円(週足)の14週RSIをみると、まだ円高の余地があり、値頃感からの買い(逆張り)は危険と言えよう。
ドル/円(週足)と14週RSI(赤)の推移 まだ円高の余地がある
相場は極限の心理ゲームであり、修羅場つづきだ。一番手堅い手法は、「FXの方程式」でずっと紹介している1時間足による「1σブレイクアウトシステム」であろう。あらかじめ計算された臆病さをもって相場にアプローチするこの売買手法は、何よりストレスが小さい。
ユーロ/円(1時間足) 21時間ボリンジャーバンド1σとADXの推移
G7声明は為替相場の無秩序な変動を警告したものの、ドル安批判はなかった。ドル安には直接言及せず、「過度な為替変動は経済・金融の安定に悪影響を与える」と従来の文言を繰り返すにとどめた。季節要因的なアノマリーから言えば、円安反転があるとしても10月15日以降ではないか?また、ドル相場を観る上で、今週から来週にかけてのユーロ/ドルの動きに注目したい。いずれにせよ、ボリンジャーバンドの1σ抜けとADXが有利なリスク/リターンの機会を示唆してくれるだろう。
今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい。
ドル/円 今週の予想レンジ
ユーロ/ドル 今週の予想レンジ
ユーロ/円 今週の予想レンジ
ポンド/円 今週の予想レンジ
豪ドル/円 今週の予想レンジ
●円相場の相場変動幅(ATR)の動向(データは2009年10月2日まで)
ドル/円およびクロス円市場は「円の上昇時に変動幅が拡大し、円の下落時に変動幅が縮小する」という市場の構造を持っている。(特に変動幅縮小の過程では円安になりやすいというのが円相場の特徴である)ドル/円やクロス円通貨は、ATR(アベレージトゥルーレンジ)が下がる過程で円安、上がる過程で円高となるパターンが多い。黄色の期間は円の売り放置やキャリー取引はリスクが高くなる。
豪ドル/円(左)とユーロ/円(右)の20日ATR
ポンド/円(左)とドル/円(右)の20日ATR
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