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椎名由紀夫の「FXの方程式」

椎名由紀夫

現役ファンドマネジャー、椎名由紀夫氏がタイムリーに提供する「プロの目から見た」相場見通し、ぜひ皆様の投資戦略のご参考としてお役立てください。

2009年8月アーカイブ

イワイFXウイークリーアウトルック 2009年8月31日号

 IMFによるとG20諸国で計12兆ドル(93円50銭換算で約1,122兆円)の緊急対策が実施されている。MV = PYの恒等式から景気がその分持ち直すのは当然だ。ただし、株価はすでにそれを織り込んでいる可能性がある。現在、世界中の株価が割高な水準まで買われており、 バリュエーション(PER・PBR・配当)的には買いづらくなっている。一方、金融市場はジャブジャブの状況に変わりはなく、時価会計も棚上げされているので損切りがでてこない。したがって、大きな下げトレンドも出にくい。

 このような上にも下にも動きにくい状況のなかで、投機筋は収益機会を作るため上海株を材料にしている。リーマンショック後、株価大暴落に見舞われた中国は4兆元の景気対策と併せて、金融機関に対しての融資拡大を要請した。中国の新規銀行融資は昨年1年間の増加額が約4兆9,100億元だったのに対して、今年上半期だけで約7兆3,667億元にもなっている。市場の噂ではこのうちの2割程度は株式市場に流入しているという。中国株がバブルするのは当然である。

中国の新規銀行融資(上段)と中国 上海総合指数(下段)2000年1月~2009年7月
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 ところが、7月の新規銀行融資額は6月の約1兆5,300億元から約3,559億元に急減したため、足の速い投機筋が出口政策を警戒し株式市場から資金流出が起こった(ちなみに、第一財経日報(オンライン版)は8月28日、「中国の8月の新規融資は3,000億元(約4兆1,100億円)を下回る公算が大きいと報じている)。これで、バブル崩壊かと弱気筋の声が大きくなったが、中国株の下落はガス抜きの域を出ていないと筆者は思っている。なぜなら、上海株が下落基調になってからも、米国株は上昇しているからだ。資金が中国から米国株や日本株にまわっているだけである。市場の目は徐々に出口政策や出口政策後に向いているが、超金融緩和のジャブジャブ状況はしばらく続くため市場に方向感は出にくい。

中国 上海総合指数(上段)と米S&P500株価指数(下段)の日足
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 筆者の波動観測では、9月第2週までは円高基調が続きそうだが、今年の相場は日足ベースではなかなかトレンドが発生しないので<1時間足>での取引がよい。取引の軸足を1時間足での取引に移すことを推奨して3週間目に入るが、1時間足はどのような相場でも収益機会があるので、この売買手法を継続するのが有効だろう。

豪ドル/円(1時間足)21時間ボリンジャーバンドと14時間ADXの推移
 ADXが上昇し相場がボリンジャーバンドの1σの外にある時が強いトレンド期間
(筆者はADXの上昇局面で移動平均線に傾きがあるのを確認して、ボリンジャーバンドの1σの外側でのみ取引している。ストップ・ロス注文はボリンジャーバンドの1σの近辺に置いている。この売買手法はクロス円相場に適しているが、変動率の上がらないドル/円相場では機能しにくい)

イワイFX 豪ドル/円(1時間足)
21時間ボリンジャーバンド1σと14時間ADXの推移
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 相場というのは確率にかけるゲームである。不確実性の高い今後の相場に対処するには、21時間ボリンジャーバンドの1σ抜けとADXのシグナルを併用した売買が一番手堅い(ケガの少ない売買手法)と思われる。

 今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい。

ドル/円 今週の予想レンジ
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ユーロ/ドル 今週の予想レンジ
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ユーロ/円 今週の予想レンジ
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ポンド/円 今週の予想レンジ
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豪ドル/円 今週の予想レンジ
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円相場の相場変動幅(ATR)の動向(データは2009年8月28日まで)
 ドル/円およびクロス円市場は「円の上昇時に変動幅が拡大し、円の下落時に変動幅が縮小する」という市場の構造を持っている。(特に変動幅縮小の過程では円安になりやすいというのが円相場の特徴である)ドル/円やクロス円通貨は、ATR(アベレージトゥルーレンジ)が下がる過程で円安、上がる過程で円高となるパターンが多い。黄色の期間は円の売り放置やキャリー取引はリスクが高くなる。

豪ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯
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ユーロ/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯
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ポンド/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯
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ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯
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イワイFX ウイークリーアウトルック2009年8月24日号

 筆者の周辺の市場参加者に意見を聞いたところ、現在、相場の先行きに対する見方が楽観派と悲観派にはっきり分かれている。ここまで相場に対する強弱感が対立するのはめずらしい現象だ。楽観派と悲観派の違いは明確で、つまるところ、昨年の大暴落相場を100年に1度の経済変革現象とみるか、4~10年周期の市場の調整とみるかの認識の差である。

 楽観派の意見を総括すると「現在の不況は4~5年、せいぜい10年周期の循環的な不況である。しかし、“相場的には100年に1度の変動”が昨年起こったので、欧米の当局者はこの不況を“100年に1度の不況”と認識し、ジャブジャブのリフレ政策を継続している。したがって、この相場はバブるに決まっている。ITバブル崩壊後、住宅バブルで米株式相場が2003年から2007年まで上昇したように、現在は住宅バブル崩壊後の“100年に1回の官製バブル”が始まっている」ということになる。

2001年ITバブル崩壊後のNYダウ(日足)の推移
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 対する悲観派の意見は「現在のバブルはドルの垂れ流しによる借金バブルだ。こんな相場がハッピーエンドで終わるわけがない。マネーの流通量を増やせばすべてが解決するわけではない。それは1990年以降の日本経済が証明している。昨年来、これだけマネーを増刷しても金融機関の中で滞留しているだけで、市中にはまわっていない。FRBのポートフォリオは危機的状況にあり、いつまでもドルを印刷できるわけがない。副作用はスタグフレーションだ。景気が回復しているというが、失業問題をはじめ実体経済の内容が悪すぎる。現状の不況下では信用創造や経済の乗数効果が期待できないので、対策が一巡すれば来年以降の世界経済はデフレ不況に突入するだろう」というものだ。

 ブルームバーグ(情報ベンダー)が配信するニュースをみていても、「中国株:極度に泡のような状態、調整懸念(アバディーン・アセット・マネージメント)」「中国株は反発へ、世界株追随(米証券会社アウアーバッハ・グレイソン)」という両極端なニュースが並んでいる。また、悲観派の相場予測の数値は、予想レンジの桁(ケタ)がとんでしまっている。「米国株は劇的に過大評価、金融危機の打撃は継続」として、米資産運用会社フェデレーテッド・インベスターズは、S&P500株価指数が最終的に400まで下落すると予想している。エリオット・ウエーブ・インターナショナルのロバート・プレクター氏は、「原油相場は向こう10年以内に1バレル当たり10ドルを下回る水準まで下落する可能性がある」と述べている。

 楽観派、悲観派、どちらの意見も話としては面白い。どちらの意見を聞いてもその気にさせられるが、正直なところ筆者はよくわからない。結局、相場は相場に聞くのが一番良い。相場は上記のような楽観派(買い方)と悲観派(売り方)の戦争である。筆者が注目しているのは買い方と売り方のどちらが有利な立場にあるかであり、それを判断するには相場の価格と時間の分析をするしかない。その際、重視するのは勝算(確率)である。

 現在の買い方と売り方の状況をみてみよう。現在、豪ドル/円相場は移動平均リボン(市場参加者の1~3ヶ月の平均コスト)を上抜いており、買い方が優勢な状況にある。ドル/円相場は、移動平均リボンに頭を押さえられているものの、ニュートラル(中立)な状況に移りつつある。

豪ドル/円(左)とドル/円(右)の移動平均リボン(市場参加者の1~3ヶ月の平均コスト)
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 最もトレンドが明確な豪ドル/円の日足チャートをみると、8月24日現在14日ADX(DMIのAverage Directional Index)は横這いとなっており、現在の相場はトレンドを持っていない。したがって、買っても売っても日足ベースでは勝つ確率は大きくない。

豪ドル/円(日足)21日ボリンジャーバンドと14日ADXの推移
ADXが上昇し相場がボリンジャーバンドの1σの外にある時が強いトレンド期間
(筆者はADXの上昇局面で移動平均線に傾きがあるのを確認して、ボリンジャーバンドの1σの外側でのみ取引している。ストップ・ロス注文はボリンジャーバンドの1σの近辺に置いている。この売買手法はクロス円相場に適しているが、変動率の上がらないドル/円相場では機能しにくい)
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 日々、株価連動となっているクロス円相場であるが、多くのアナリストが指摘しているように、毎年9月の米国株のパフォーマンスはよくない。季節要因という確率論からいって注意すべき現象だろう。BOAのアナリストは「米株相場は8月か9月に天井を付ける傾向があるため、われわれは株式市場の調整につながる、中期的なトップが形成された兆しを探っていると説明。9、10月にかけて15-20%下落するリスクがある」(ブルームバーグ)と予想している。

 先週のレポートで指摘したが、パターン分析が示唆する「バブル相場の最もおいしい半年間」は今月で終わる。しばらくは<1時間足>を使った短期売買(21時間のボリンジャーバンドと14時間ADXを使った順張り)で様子を見ながら相場に対処したい。

 今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい。

ドル/円 今週の予想レンジ
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ユーロ/ドル 今週の予想レンジ
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ユーロ/円 今週の予想レンジ
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ポンド/円 今週の予想レンジ
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豪ドル/円 今週の予想レンジ
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●円相場の相場変動幅(ATR)の動向(データは2009年8月21日まで)
 ドル/円およびクロス円市場は「円の上昇時に変動幅が拡大し、円の下落時に変動幅が縮小する」という市場の構造を持っている。(特に変動幅縮小の過程では円安になりやすいというのが円相場の特徴である)ドル/円やクロス円通貨は、ATR(アベレージトゥルーレンジ)が下がる過程で円安、上がる過程で円高となるパターンが多い。黄色の期間は円の売り放置やキャリー取引はリスクが高くなる。

豪ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯
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ユーロ/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯
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ポンド/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯
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ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯
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イワイFX ウイークリーアウトルック2009年8月17日

 大暴落した相場の1度目のリバウンド相場の期間は概ね5~6ヶ月である。つまり、暴落後のリバウンド相場はスタートから半年間は上がる確率が大きい。この期間は何を買っていても比較的安心できる。

1929年の暴落後のNYダウ(月足)
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ITバブル崩壊後のナスダック(左)と1990年バブル崩壊後の日経平均株価(右)の月足
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 100年に1度と言われる記録的なボラティリティを示現した2008年の株式暴落相場を経て、2009年は世界的な政策総動員の効果で6ヶ月にわたって株式のリバウンド相場が展開されてきた。ここまでは、相場の歴史が教えてくれる教科書通りのリバウンド相場が展開されているといえよう。

NYダウ(月足) 2009年のリバウンド相場
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日経平均株価(月足) 2009年のリバウンド相場
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豪ドル/円(月足) 2009年のリバウンド相場
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 2009年8月は2009年3月から始まった株式のリバウンド相場の6ヶ月目に入っている。筆者は世界のGDPの7%弱の財政出動、2009年3月以降の英・米の量的緩和、リバウンド相場の5~6ヶ月保証を根拠に、基本的に強気の相場見通しを続けてきた。しかし、この先の相場見通しには自信が持てない(バブル崩壊後の相場の大底入れには、概ね30ヶ月程度の時間を要すことを過去の相場は示唆している)。この8月で一番底のあとの半年の上げ保証期間は終わるので、筆者の相場の見通しは強気からニュートラルに変化しつつある。

 リーマンショック以降、相場の悪材料を上げれば切りがないが、それらの悪材料を各国政府・中央銀行はジャブジャブのバブル政策を行うことで封じ込めてきた。日経平均株価がPER40倍~50倍に買われてもバブル環境では肯定されている。中国の景気刺激策(56兆円)に代表される世界のGDPの7%弱の財政出動の効果は、単純に市場価格を押し上げている。自動車業界だけでも既に世界で16兆円の資金が投入されているように、マネーの大量供給で市場の弱気や信用不安を払拭してきたのが2009年3月以降の相場である。

 この意図的なバブル相場の賞味期限を推し量るには米国の量的緩和政策がカギを握ると考えて、筆者はFOMCに注目してきた。国債買い取りプログラムの終了が決定されるか否かが焦点であったFOMCでは、買い取り期間を9月から10月に延期したものの増額はされず、現状では10月に打ち止めに向かうことが示された。市場では金融正常化に向けたソフトランディング路線と評価されているようだが、筆者はこれでバブル相場の“勢い”は削がれたとみている。

 市場の過剰流動性(ジャブジャブ状況)は当面続くことになる。米国債の買い入れは10月まで行われ、住宅ローン担保証券などの買い取りプログラムも年末まで続く。また、ターム物資産担保証券貸出制度(TARF)の期限も9月末まで保証されている。英国は資産買い入れプログラムを増額(3ヶ月延長)しており、ユーロ圏も銀行への資金供給やカバードボンドの購入を続けている。これらの非伝統的な金融政策という“劇薬”がきいているかぎり、市場はハイテンションとなり下方硬直性が働く(売られにくい)。金融危機の後に金融の正常化を急ぐと日本の失敗を繰り返すことになりかねないのは、バーナンキFRB議長も承知している。したがって当面低金利とバブル環境は維持されるだろう。

 だが、米国の国債買い取りの打ち止めは、米国が金融正常化にむけての小さな一歩を踏み出したというサインである。FRBの今後の政策は、国の借金と不景気のバランス取りに移行する。いずれにせよ、上がる確率の大きかった過剰流動性という金融相場の“最もおいしい半年間”が過ぎようとしている。今後の相場がもう一段バブルするかどうかは、経済指標の好転や上げ相場を演出してきた投資銀行やファンド勢がさらにリスクテイクをするかどうかにかかっている。クロス円相場は今後も株次第だが、投資銀行やファンド勢が今後も資源国や新興国への投資を行うか否かで、対ドル相場は大きくトレンドが変わる可能性がある。

 先週のレポートで指摘したドル/円の97円、豪ドル/円の80円が週足終値で維持できなかったので、円安基調は崩れた。今週はドル/円相場が早期に95円50銭を回復しないまま94円30銭を割り込んでしまうと、円高トレンドが発生する可能性がある。調整相場となっている中国株と原油の動向にも注意したい。

原油先物(左)と中国 上海総合指数(右)の日足と移動平均リボン(1~3ヶ月の市場参加者のコスト)
現在、ボラティリティのレベルが高くリスキーな相場環境
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 今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい。

ドル/円 今週の予想レンジ
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ユーロ/ドル 今週の予想レンジ
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ユーロ/円 今週の予想レンジ
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豪ドル/円 今週の予想レンジ
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●円相場の相場変動幅(ATR)の動向(データは2009年8月14日まで)
 ドル/円およびクロス円市場は「円の上昇時に変動幅が拡大し、円の下落時に変動幅が縮小する」という市場の構造を持っている。(特に変動幅縮小の過程では円安になりやすいというのが円相場の特徴である)ドル/円やクロス円通貨は、ATR(アベレージトゥルーレンジ)が下がる過程で円安、上がる過程で円高となるパターンが多い。黄色の期間は円の売り放置やキャリー取引はリスクが高くなる。

豪ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯
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ユーロ/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯
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ポンド/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯
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ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯
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イワイFXウイークリーアウトルック 2009年8月10日

 7月31日、ゴールドマンサックスは「1ドル=105円超のドル高・円安水準を視野に円を売りドルを買う」ことを推奨した。また、同社のチーフエコノミストであるジム・オニール氏は8月7日のFT紙で「Troubling truths behind the yen(円に内在する悩ましき真実)」というレポートを発表した。来年の日本の国家債務残高がGDP 比で200%を超える可能性と米国の対日貿易赤字が1984 年の水準まで減少したことを理由に、「ドル・円相場は、95 円よりも195 円に接近すべきか?」と述べている。現在の円安の長期持続性について筆者は疑問を持っているが、ここにきて市場の一部に中・長期のタームでの円安観測が浮上しているようだ。

 現在のバブル相場は景気が良くてバブルになっているわけではない。経済指標は一部に好転がみられるが、これは低金利・量的緩和と財政出動のダイレクトな影響であり、実態経済に“乗数効果”が及ぶには至っていない。企業業績も好転しているが、景気対策による需要の先食いと時価会計が棚上げのなかでの“数字”なので、その前途はきびしいといえよう。

 今年のバブル相場は官製バブルであり、中央銀行バブルだ。7月31日に発表された日銀の金融市場レポートでは「安定しているようにみえる現在の市場は、中央銀行の非伝統的な政策によって支えられているのであって、市場が正常な状態に戻っているとは言い難い」との認識が示されている。現行のバブル相場は中央銀行の政策に左右されている。

 中央銀行頼みのバブル相場のトレンドを探る上で重要な材料である8月6日の英中銀金融政策委員会(MPC)で、イングランド銀行は「資産買い取りプログラムの規模を500億ポンド(約8兆400億円)拡大し1750億ポンドとする」ことを決定した。これでバブル収縮の2つの懸念材料のうちの一つである英国の量的緩和政策は3ヶ月の延長となり、あとは今週8月11~12日のFOMC待ちとなる。

MPCに対する事前予想は、1250億ポンド(約20兆円)の現行枠がなくなった後、「休止するか・拡大するか」で市場の見方が分かれていた。8月5日のロンドン市場では「BOEは資産買い取りプログラムを休止する」との噂が流れポンドが上昇したが、8月6日の相場は上記の決定をうけポンドは急落した。(これは紙幣の印刷による需給という単純なロジックで現在の相場が動いていることを示唆している)

 現行のバブル相場は2009年3月18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、FRBが向こう半年間で3000億ドル(約29兆円)の国債を買い取る計画を決定したところからスタートしている。3000億ドルの国債の買い取りなどといわれてもピントこないが、簡単に言えば「3000億ドル(29兆円)分のドルを印刷する」ということだ。米国政府がドルをどんどん印刷してくれたおかげで金融市場がジャブジャブになり、現在のバブル相場は成り立っているのである。ドル安・株高・資源高はこの結果である。

    米国債買い取りの累計(上段)と米S&P500株価指数(下段)の推移
    (米国債の買い取りが終了すればドルを印刷しないのでバブルは収縮の方向に・・)
weekly0810_1.gif 現在の株高や金融バブルを延命させるには、米国のリフレ(バブル)政策の持続が必要条件となってくるが、その意味で今週のFOMCは相場の大きなトレンドを決する重要なイベントといえよう。元FRB理事でマクロエコノミック・アドバイザーズ副会長のローレンス・マイヤー氏は8月4日に「FRBが進めている最大3000億ドルの米国債買い取り計画は、予定通り9月半ばで終了となる公算が高い」と予想している。金融バブル相場の一番おいしいところはスタートから半年間である。仮に、米国債買い取りが9月で終了となれば、現在の過剰流動性に大きな変化が生じ、秋には相場の潮目が変わる可能性が大きい。FOMCの決定に注目したい。

 今週は米国で過去最大規模となる総額750億ドルの四半期定例国債入札(11日に3年債370億ドル、12日に10年債230億ドル、13日に30年債150億ドル)が行われる。15日前後の本邦の利金の円転需要と併せて注意が必要だ。先週金曜日は米雇用統計の結果を受けて、強烈な円安相場となったが、米雇用統計での相場のブレイクアウト(レンジ抜け)は上下ともダマシが多い。目先、円安トレンドが継続するか否かは、今週の終値でドル/円は97円、豪ドル/円は80円を維持する必要があるだろう。

今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい。

weekly0810_2.gifweekly0810_3.gifweekly0810_4.gifweekly0810_5.gif● 円相場の相場変動幅(ATR)の動向(データは2009年8月7日まで)

 ドル/円およびクロス円市場は「円の上昇時に変動幅が拡大し、円の下落時に変動幅が縮小する」という市場の構造を持っている。(特に変動幅縮小の過程では円安になりやすいというのが円相場の特徴である)ドル/円やクロス円通貨は、ATR(アベレージトゥルーレンジ)が下がる過程で円安、上がる過程で円高となるパターンが多い。黄色の期間は円の売り放置やキャリー取引はリスクが高くなる。

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イワイFXウイークリーアウトルック 2009年8月3日

 リーマン・ショック以後の金融市場は信用リスクしかみていない。信用不安が高まるとリスク商品はすべて売られ、信用不安が後退するとリスク商品はすべて買われる相場となっている。信用リスクが後退すると、<ドル売り・クロス円買い>相場となるが、相場で儲けるのは簡単ではない。動きのわかりやすい通貨とわかりにくい通貨がある。ここで筆者のいう動きのわかりやすさとは、トレンドが出ているということと同じである。相場は瞬時の売買判断が要求されるため、投資家は比較的容易な動きをする通貨ペアを探す必要がある。

 今週は【移動平均線】に焦点をあてた筆者のトレンドの認識の方法を紹介したい。筆者は相場のトレンドをみるうえで、13日移動平均線を重視している。強い買いトレンド期の相場は13日移動平均線の上で推移し、強い売りトレンド期の相場は13日移動平均線の下で推移する。相場が1ヶ月の市場参加者の平均コストである21日移動平均線を下抜ければ買いトレンドは終了し、上抜ければ売りトレンドは終了する。これが筆者のトレンド認識で、トレンドの強さは移動平均線の傾きで判断している。

豪ドル/円(左)とユーロ/円(右)の日足 13日移動平均線(赤)と26日移動平均線(青)
上下の緑のバンドは13日移動平均の±2%の乖離線(ブレイクすると急騰・急落相場となりやすい)
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ポンド/円(左)とドル/円(右)の日足13日移動平均線(赤)と26日移動平均線(青)
上下の緑のバンドは13日移動平均の±2%の乖離線(ブレイクすると急騰・急落相場となりやすい)
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 上のチャートは豪ドル/円・ユーロ/円・ポンド/円・ドル/円の日足と13日移動平均線(赤)と26日移動平均線(青)の推移である。豪ドル/円相場は他の通貨に比べて13日移動平均線(赤)と26日移動平均線(青)の上か下で明確な相場展開となることが多く、筆者には比較的動きが読みやすい。また、豪ドル/円相場は13日移動平均線の2%超えからの急騰相場を演じることが多いので、デイ・トレードにも向いている。筆者の色眼鏡でみた独断では、ドル/円相場は移動平均またぎの相場が多いので相場の方向がわかりにくく、ポンド/円相場は相場の振れが大きすぎるので日足のトレンドフォロー売買には向かない相場つきとなっている。

 次に市場参加者の1~3ヶ月の平均コストである移動平均リボン(20~75日移動平均線)を見てみよう。同じ対円相場ではあるが、ドル/円は移動平均リボンの強力な磁力から大きく離れることがなく、相場がどっちを向いているのかわかりにくい。一方、豪ドル/円は移動平均リボンの上で上げ相場となっている時間が長い。売りと買いというアウトライトの相場アプローチにおいては、どちらが簡単かは一目瞭然だ。

豪ドル/円(左)とドル/円(右)の日足と移動平均リボン
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 いつもレポートの最後に掲載している20日ATR(アベレージトゥルーレンジ)の動きをみても、豪ドル/円の動きが一番理屈に合っている。相場で収益を上げるには、複雑な相場の動きから簡単な場面だけを取り出してこなければならないので、筆者は複雑な動きやトリッキーな動きをする通貨ペアは取引したくない。新聞の大見出し的(相場解説的)にみるとクロス円相場はどれも同じような動きに見えるが、相場実践においてはそうではない。

 なぜ、今年の豪ドル/ドル、あるいは豪ドル/円の動きが読みやすいのか?答えは明確であろう。現在の悪さ比べの外為相場の中で、豪州のファンダメンタルズが比較的良いからである。7月28日にオーストラリア準備銀行(RBA)のスティーブンス総裁は、「他の多くの国とは対照的に、豪州の現在の景気下降は戦後の深刻な下降期の一つではないと判明する公算がある」と発言している。100年に1度の危機と言われる昨今のご時世で、世界中見渡してもこれほど強気な中央銀行の発言はなく、結果、市場では利上げ観測が浮上している。

 現在のバブル相場は国策バブル相場であり、中央銀行バブル相場だ。このバブルの構造は各国政府の<財政出動>と<低金利・量的緩和策>というリフレ政策で成り立っている。この両方の恩恵を受けているのが豪経済だ。

バブル相場と豪ドル高の構造
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 信用リスクの低下と米・中の公共事業を背景とした鉄鉱石需要が促す豪ドル高は、非常にわかりやすい相場構造といえるだろう。1ヶ月前からシカゴの通貨オプション市場では、当たり屋と呼ばれるCTA筋が、豪ドル/ドルのコールオプションの買いやロング・ストラングルのポジションを構築している。筆者がヒアリングしたところ、リスクを限定した上で、豪ドル/ドルが0.85を上抜いてくると利益が出るポジションを組んでいるようだ。また、某著名投資家のファンドも豪ドル相場や鉱山株相場に参戦していると聞いている。

 5月・6月の豪中銀の豪ドル売り介入がボディーブローとなり、6月から7月半ばまで豪ドル/ドルの上昇トレンドは発生しなかった。対円・対ドルを問わず7月末から8月の豪ドル相場に大きな買いトレンドが発生するかどうかは、8月11日~12日のFOMCの声明がカギを握っている。バブル相場の賞味期限をFRBが決める以上当然ではあるが、現在、ファンドマネージャーの間では8月と9月のFOMCの話題が多い。

 海外のトレーダーの話では、「このバブル相場は意図して作られている以上、リフレ(インフレ)政策は当面継続される」という意見が多い。税金を使うと世論と議会が敵に回る。オバマ政権の支持率低下やカリフォルニア州の動向をみていても、米国で追加の財政出動は困難な状況にある。したがって、バブル相場を支える2大要因のうち、相場的には財政出動(財政出動の効果が実体経済に波及するのはこれからだが・・)が後退し、金融政策の比重が高まらざるを得ない。早期に出口政策など模索しようものなら、失われた20年?の日本経済の二の舞となりかねない。さて、バーナンキ議長はどんな判断(国債買い取りプログラム延長の有無に注目)を下すだろうか?

 今週はISM、雇用統計、ECB理事会、BOE金融政策委員会など相場を動かす材料は多いが、円安基調になると思われる。基本的に、来週の8月FOMCまでのクロス円相場は原油と株の動きに連動するだろう。某投資銀行の主力商品(巨大な利益を上げている)である原油と波乱含みの中国株の相場には特に注目したい。中国では銀行融資の2割が株式市場に流入していると言われるなか、7月29日に中国工商銀行と中国建設銀行が新規融資の年間目標に上限を設定したことで中国株が急落した。中国の一件はバブルのガス抜き的な動きだが、一日に5~7%も変動すれば投資家はたまらないだろう。ストップ・ロスは当然として、こういった突発的なニュースに対応するためには、利益の出ているポジションの<利食いの逆指し値>を相場の上昇にしたがって引き上げていくなどの細かい対処が必要だ。国策バブル相場は簡単には終わらないと思われるが、相場はなにがおこるかわからない。資産防衛措置は怠らないようにしたい。

 今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコア・レンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコア・レンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい。

ドル/円 今週の予想レンジ
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ユーロ/ドル 今週の予想レンジ
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ユーロ/円 今週の予想レンジ
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豪ドル/円 今週の予想レンジ
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●円相場の相場変動幅(ATR)の動向(データは2009年7月31日まで)
 ドル/円およびクロス円市場は「円の上昇時に変動幅が拡大し、円の下落時に変動幅が縮小する」という市場の構造を持っている。(特に変動幅縮小の過程では円安になりやすいというのが円相場の特徴である)ドル/円やクロス円通貨は、ATR(アベレージトゥルーレンジ)が下がる過程で円安、上がる過程で円高となるパターンが多い。黄色の期間は円の売り放置やキャリー取引はリスクが高くなる。

豪ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯
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ユーロ/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯
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ポンド/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯
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ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯
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