イワイFXウイークリーアウトルック 2012年1月30日
昨年末より取り上げてきたドル/円相場の長期抵抗線の攻防は、先週、2007年から引いた週足の抵抗線を上抜ける動きとなった。このテクニカルは外国人投機筋が注目していたので、ドル/円が突如として動意付き78円28銭まで上昇した。しかし、78円30銭の上値抵抗ポイントで押し戻されて、週足の終値では再び長期抵抗線の下に位置している。
先週77円40銭に位置していた長期抵抗線は今週77円25銭近辺まで降りてくる。このポイントと78円30銭台の200日移動平均線が上値抵抗となるが、ここを上抜くともう一段のドル/円の上昇が期待できる。逆に、これを抜くまではレンジ相場を形成しよう。
●ドル/円(週足)先週、長期抵抗線の位置する77円40銭を一時ブレイクしたが・・
長期抵抗線(赤)と一目均衡表の<雲>
●ドル/円(日足)200日移動平均線(青)と移動平均リボン(赤)
テクニカル的には、ドル/円月足の長期抵抗線や20ヶ月移動平均線、週足の一目均衡表の<雲>など、ドル/円の上値には多くの難関が控えている。また、そもそも米・英や欧州と比べて量的緩和が足りない日本円は売られにくい通貨である。
円高見通しを覆すことは難しい環境にあるが、2012年の円相場は円安に振れる可能性がないわけではない。昨年末、通貨を扱う海外ファンドの連中とミーティングの機会があったが、ファンドのいくつかは「ドルインデックスから見て、日本円は買われすぎである」と見ている。
以下にチャートはドルインデックス先物、ユーロ/ドル、ポンド/ドル、ドル/スイス、ドル/円の月足である。それぞれ、緑の枠が2010年相場の変動範囲、黄色の枠が2011年相場の変動範囲、赤の横線が2010年相場年足の終値である。
●ドルインデックス先物(月足)
2010年相場の変動範囲(緑の枠)・2011年相場の変動範囲(黄色の枠)2010年相場年足の終値(赤の横線)
ドルインデックス先物の水準を見ると、現在のドルインデックス先物の水準は2010年の年足の終値の水準である。つまり、平均に回帰する相場となっている。
●ユーロ/ドル(月足)
2010年相場の変動範囲(緑の枠)・2011年相場の変動範囲(黄色の枠)2010年相場年足の終値(赤の横線)
●ポンド/ドル(月足)
2010年相場の変動範囲(緑の枠)・2011年相場の変動範囲(黄色の枠)2010年相場年足の終値(赤の横線)
●ドル/スイス(月足)
2010年相場の変動範囲(緑の枠)・2011年相場の変動範囲(黄色の枠)2010年相場年足の終値(赤の横線)
ユーロやポンドも2011年相場は平均回帰相場で終わったといってよいだろう。2011年相場で円とともに強烈に買われたスイスフランでさえ、現在は大きく売り戻されていて、2010年末の水準に回帰している。
●ドル/円(月足)2011年相場は円だけ独歩高
2010年相場の変動範囲(緑の枠)・2011年相場の変動範囲(黄色の枠)2010年相場年足の終値(赤の横線)
主要通貨の中で円だけが現在も買われ続けており、ドルインデックスの動きから大きく乖離した動きを続けている。2012年の相場では円が買われすぎの水準から平均回帰の動きを見せ、「円安方向に修正高が起こるのではないか?」という見方が、通貨ファンドの一部で囁かれている。
弱いところをついてくるのが投機筋の本質である。日本の貿易収支が昨年は2兆4,930億円の赤字(1980年以来31年ぶり)となったが、投機筋は次の円売り材料を探している。日経新聞などでも報道されているように、通貨オプション市場では、ヘッジファンドがドルのコール・オプション買いを増やしている。これは、昨今のドル/円市場には見られなかった現象だ。
ドルインデックスから大幅に乖離している円高部分の修正が起きて、ドル/円相場が大幅な円安方向の修正が起こるには、「20ヶ月移動平均線を相場が上抜く必要がある」と筆者は考えているが、100人中95人が円高予想のご時世なので2012年相場が円安に振れる可能性も考えておくべきだろう。
●ドル/円(月足)投機筋が注目している20ヶ月移動平均線(赤)
「今週の予想レンジ」
今週のドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円相場は、以下のチャートの「黄色の部分をコアレンジ」とした上下の緑色の部分までの変動を予想している。黄色のコアレンジをブレイクすると、緑色のレンジに相場の方向が移りやすい。(日足データは2012年1月27日まで)
ドル/円 今週の予想レンジ
ユーロ/ドル 今週の予想レンジ
ユーロ/円 今週の予想レンジ
ポンド/円 今週の予想レンジ
豪ドル/円 今週の予想レンジ








